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Fri2013.03.29


ことり 小川洋子

ことり 小川洋子
朝日新聞出版

2013.3.28


小鳥の小父さんが、死後数日たってから発見されたとき、
ゆっくり休んでいるかのような、安らかな様子の遺体は、
腕に竹製の鳥籠を抱いていた。
中にいた小鳥は、弱った様子もなく、美しい鳴き声を響かせたあと、
警官がうっかり開けてしまった籠の口から、空に去ってしまった。

小父さんには、7歳年上の兄がいた。
兄は、11歳の頃から、自分で編み出した言葉でしゃべり始め、
それは、周りの人に全く理解できない言葉だったが、
不思議と小父さんには、理解できた。
兄は、小鳥の言葉がわかり、小鳥のように美しい声で
歌うことができた。

孤児院と鳥小屋、小さな雑貨店、お兄さんの静かでゆるぎない生活…
ひっそりとして、ちょっと現実とは別の世界のような、
小川洋子の世界…

後半、ちょっと不穏な展開になっていくのも相まって、
文鳥の目の周りの輪っかの描写が、ちょっと気持ち悪い…
そーだ、小川洋子には、ときどきこうした生理的に受け入れがたい
描写があるんだった…

純粋に小鳥への愛情から、幼稚園の鳥小屋の掃除を引き受けていた
小父さんが、幼女にいたずらした犯人では、と噂されたり、
保護したメジロの幼鳥が、美しい声でさえずるようになったがために、
メジロを、歌声を競うための道具として扱う男達の鳴き合せ会に
巻き込まれたり。
なんだか後半は、どんどんいやーな感じの展開になっていく。

小父さんのそばに、メジロがいたのがせめてもの救い…


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