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Mon2013.08.26


これからお祈りにいきます 津村記久子

これからお祈りにいきます 津村記久子
角川書店

2013.8.23

サイガサマのウィッカーマン
バイアブランカの地層と少女


◇サイガサマのウィッカーマン

ニスの臭い、粘土細工の内臓と、なんだかよくわからない
幕開けで、主人公がひどいニキビに悩む冴えない高校生シゲル。
… 読むのがツライ
東野圭吾の登場人物が美男美女ばかりなのは、やっぱり
理にかなっているんだなー
この本、最後まで読めるかな、と不安に思ったりもしたのに。
サイガサマ? 神様なの?
申告物? お供え物?
なんだか不思議な物語が、普通の日常として語られる世界に
知らず知らず引き込まれていく。

サイガサマは、人間の体にとても興味があって、本気で何かを
右から左へ動かすときは、願をかけた者の体の何かを取っていく。
人間の体の一部から力を得て、その願いを叶えるという、ほとほと
下等な神様なのだ。祈願する人は、どこを捧げるかは指定できない
けれども、どこを取られたくないかは申し出られる。申請方法は、
それを細工物の形にして、冬至の祭りの日に捧げられる人型
(ひとがた)に編んだ籠の中に放り込むことである。


サイガサマが、庶民の願いを叶える代わりに持ち去る体の一部は、
病気になると痛むとかそういうものではなくて、体からそっくり
なくなってしまうものなのだ


願いがかなった後、片目がぽろっと取れる?
髪の毛がなくなる?
朝起きたら、左手の薬指の第2関節まだがぽろっと落ちてなくなった?

でもなんだろう、クセになる美味しさ?

最後にシゲルからなくなったものは、なんだかなーだけど


◇バイアブランカの地層と少女

あれ?
「これからお祈りにいきます」って作品は、ないの?
と、遅まきながら気づく。

でも、そうか、どちらもお祈り絡みなんだ。

京都から出たことのない、大学生の作朗。
京都観光に興味のある外国人のためのコミュニティサイトで
知り合った、ブエノスアイレス州バイアブランカ在住のファナと
やり取りするうち、少しずつ広がっていく作朗の世界。
初恋のヒトに再会し、ごはんの約束を取り付けたのに、
それをすっぽかして、ファナの彼のケガが治るように、
清凉寺の法輪を回し続ける作朗。
ファナに会いに行こうと、ブエノスアイレスへの旅を手配し、
いざ出発、というときに、ハリケーンで欠航。

特になにが起こるわけでもないのに、しっかりその世界に
取り込まれる、不思議な読後感。


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