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Wed2013.08.14


泣き童子 三島屋変調百物語参之続 宮部みゆき

泣き童子 三島屋変調百物語参之続 宮部みゆき
文藝春秋

2013.8.12

魂取の池 たまどりのいけ
くりから御殿
泣き童子 なきわらし
小雪舞う日の怪談語り
まぐる笛 まぐるぶえ
節気顔 せっきがん


三島屋変調百物語、「おそろし」、「あんじゅう」に
次ぐ最新刊


◇魂取の池
相思相愛の幼馴染との結婚が決まった器量よしのお文。
お文と同じく悋気の強かった祖母は、やはり相思相愛だった
幼馴染の許婚の心を試すために、2人して姿を映せば、
必ず男の気持ちが他の女に行ってしまうという言い伝えの
ある池を訪れ…

文中の挿し絵、女性が2人描かれていて、そうやら片方が
おちかなのでしょうが…
ちょっと勝気そうな笑顔で、頬杖(ではないけれど、片手を
顔にあてがっている)…
いやいやいや… おちかはお客様の前で、ぜーったい
こんなポーズしないだろー
と、ちょっと興ざめ。


◇くりから御殿
白粉問屋の隠居夫婦。
夫の実家は、上方の小さな漁師町で干物問屋を営んでいたが、
10歳の春に、大雨による山津波にのまれ、一人命拾いをした。
山津波の後、開放された網元の別宅のお屋敷で、不思議な経験をする。
懐かしい家に戻っていて、従姉や幼馴染とかくれんぼをして遊ぶ
夢を見ると、行方知れずだったその人が見つかる…


◇泣き童子
黒白の間に、飛び込みの客があり、そのまま倒れてしまう。
55歳で瀕死の老人にしか見えないその男が、不思議な子どもの
話を語り始める。
店子だった看板屋が育てていた捨て子が、3歳になる頃に、
泣きもしゃべりもしなくなった。
ところがある日突然、面妖なくらいの大泣きをするようになった。
どうやら、ある職人がそばに来ると大泣きするらしいとわかったが、
理由がわからないので、差配だった男があずかることに。
するとその夜、看板屋は押し込み強盗にあって皆殺しに。
件の職人が手引きをしたようで、子どもはその気配を察知して
大泣きしていたらしい。
引き取り手のいない子どもをあずかったままのある日、
男の娘が帰ってきた途端、子どもが火がついたように泣き出した…

子供がつと口から指を離すと、彼を見据え、彼に向かってこう言った。
――じじい、おれがこわいか。
人の声には聞こえなかった。


こ… こわい…
罪を重ねる娘もコワイし、それを許してしまった父親も
コワイけれど。


◇小雪舞う日の怪談語り
年の瀬に、黒子の親分と呼ばれる岡っ引きの半吉に誘われて、
おちかはお勝と2人で、札差が主催する怪談語りへ出かける。
心の煤払いのための階段語りの肝煎役は、井筒屋七郎右衛門という
札差の中でも大通(だいつう 飛びぬけて財を持ち勢いがある)の一人。


◇まぐる笛

豊かな檜の森だけが、財政の支えである北の国の小藩。
いつになく暑い夏に、数十年ぶりにまぐるという巨大な
獣が出て、人々をむさぼり食う。
かつて飢え乾いて無惨に死んでいった者たちの怨念が
形をとって現れたというまぐるを退治できるのは、
まぐる笛使いの女性。


◇節気顔

生家を勘当され、放蕩の限りを尽くした春一の前に現れた「商人」。
二十四節気の日ごとに、自分の顔を貸せという。
以来、節気日の一日は、死んだ人間の顔になってしまう春一。

――私は商人ですよ。
私が売るものを欲しがる人に売り、私が売りたいものを持っている
人から仕入れる。
――あいにく、お店は持っておりませんがね。なにしろ私のお客は、
あっちにもこっちにもいるもので、私も行ったり来たりしなくちゃ
いけませんから。
そのとき、春一は気がついた。
この男には影がない。
こいつは、この世のものではない。



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