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Sun2017.01.29


老前整理 捨てれば心も暮らしも軽くなる 坂岡洋子

老前整理 捨てれば心も暮らしも軽くなる 坂岡洋子
新潮文庫

2017.1.27

はじめに
第1章 老いるほど、捨てられない
 売れない時代でも買ってしまう不思議
 新しいモノを買ってはスキマを埋める
 なぜ、老前整理が必要なのか?
 片付けには気力・体力・判断力がいる
 老前整理? 生前整理? 遺品整理?
 後ろ向きではない未来志向の片付け
 節目のときから暮らしをシンプル化する
 老前整理のビフォー・アフター?
 たかが片付け、されど片付け、侮るなかれ
 モノを捨ててスキマとゆとりを取り戻す
 予期せぬ素敵な出会いが待っている!?
 思いを書いて頭と心の整理を準備する
 片付けノウハウが好きな「減らせない女たち」
 暮らしを軽くするという発想を
第2章 モノの整理は、心の整理――わくわく片付け講座
 まずは、いまの暮らしを見直そう
 片付け後のイメージを膨らませよう
 自分史年表であえて過去と向き合う
 なんでもいいから前向きな展望をもとう
 どこを、いつまでに、期限を決めて片付け準備!
 捨てるにはルールと勇気が必要です
 迷ったら5W1Hで揺れる心に問いかけよう
 気負わずゆっくり整理上手上級者へ
 家族のモノには住み分けルールを設定
 自分の「片づける」を認識する
 老前整理の成功は、モノ八分にあり
 恐ろしいリバウンドを未然に防げ!
第3章 捨てれば、心も暮らしも軽くなる
 捨てるのはモノだけではありません
 明るい老後はお付き合いの棚卸しから
 子どもの巣立ちは整理どき
 片付けは女だけの仕事にあらず
 夫婦のモノは夫婦で片付ける
 老前整理は日本の夫を救う
 男性よ、片付け体験から地域参加を!
 ひとり暮らしの老前整理
 いつでも友達を呼べる家にしておきたい
 きちんと捨てれば身も暮らしも軽く
第4章 よりよく生きるために、いまからできること
 失われた日本人の暮らし
 ゴミ屋敷、ほんとうに笑えますか?
 持ちすぎないで、モノもゴミも減らす
 社会全体で循環してモノを使う
 所有からシェアリング、リサイクルの時代へ
 思い出はアルバムに残せばいい
 介護の現場にバリアをなくす
 これからの人生を豊かにするために
 恩師が示した見事なエンディング
おわりに
文庫版あとがき


裏表紙より。

高齢になればなるほど気力や体力が衰え、片付けはおっくうに
なります。老いる前に身辺を見直して、今後の生活にいらない
ものを整理し、快適な老後を送りませんか。あなたがこれから
どういう自分になりたいのか、どういう生き方をしたいのかを考え、
必要な物を自分で決め、不要な物はそぎ落とす。片付けられず、
あふれるモノに囲まれて暮らしている人のための新しい整理術、
生き方指南書。



“ときめき”よりもすんなり読めちゃうのは
トシのせい?^^;


自分なりの片付けの基準を決めましょう

①今、役に立っているモノは捨てない
  (着ている洋服、使っている日用品など)
②思い入れのあるモノは捨てない
  (役には立たないけれど大切な思い出がある)
③役にも立っておらず、思い入れもないモノは捨てる
④__年以上来ていない洋服は捨てる
⑤__年以上使っていない日用品は捨てる
⑥使えるモノは使う
  (しまいこんで眠らせない)



□What  これは、なに?
       洋服、時計、実際に使っているか?
□Why  なぜ、取っているの?
       便利、素敵に見える、どうしてこれが必要?
□When  いつ、必要なの?
       着る、使う、いつかはいつ?
□Where  どこで使うの?
       家で、パーティで、どこでこれを使うの?
□Who  誰が使うの?
       わたしが、家族が、誰が使うの?
□How much  いくらした?
       高かった、安かった、いまの価値は?



[坂岡洋子]  [老前整理]  [捨てれば心も暮らしも軽くなる]  [さかおかようこ

Fri2017.01.27


来春まで 諸田玲子

来春まで 諸田玲子
新潮社

2017.1.25

第1話 女ごころ
第2話 新春の客
第3話 社の森の殺人
第4話 七夕の人
第5話 蝸牛
第6話 鷹匠の妻
第7話 来春まで


『幽霊の涙』を飛ばしてしまって、最終巻なのかな…
さすがに6冊続けると、珠世がこわいかも…


[諸田玲子]  [来春まで]  [もろたれいこ

Thu2017.01.26


ウランバーナの森 奥田英朗

ウランバーナの森 奥田英朗
講談社文庫

2017.1.24

ウランバーナの森
文庫版へのあとがき
解説 '77年、ジョンのいた夏  大鷹俊一


裏表紙より。

その夏、世紀のポップスター・ジョンは軽井沢で過ごした。家族との
素敵な避暑が、ひどい便秘でぶち壊し。あまりの苦しさに病院通いを
はじめたジョンの元へ、過去からの亡霊が次々と訪れ始めた……。
大ベストセラー小説『最悪』の著者が贈る、ウイットとユーモア、そして
温かい思いに溢れた喪失と再生の物語。



えーっ!
奥田英朗のデビュー作(1997年)なんだー
知らなかった…
うまいなー…

ケイコが全然オノヨーコのイメージではないけれど。
ジョン・レノンの生涯も全然詳しく知らないけれど。
面白い小説だった。
読んでいるこちらまで便秘になりそうな…

精神科医の先生とか、キースとかタオさんとか、
後の(だよね…)伊良部シリーズあたりに通じるものがあるような。

ジョン・レノン…
生きてたらどんなだったんだろー…

来日公演で荒稼ぎ、は、しないだろーなぁ…

それにしても、誰の文章で、今ごろ『ウランバーナの森』を
借りる気になったのか、全然思い出せない…


[奥田英朗]  [ウランバーナの森]  [おくだひでお

Wed2017.01.25


ランチのアッコちゃん 柚木麻子

ランチのアッコちゃん 柚木麻子
双葉文庫

2019.1.17

ランチのアッコちゃん
夜食のアッコちゃん
夜の大捜査先生
ゆとりのビアガーデン


裏表紙より。

地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、
食欲もなかった。そこへ雲の上の存在である黒川敦子部長、
通称“アッコさん”から声がかかる。「一週間、ランチを
取り替えっこしましょう」。気乗りがしない三智子だったが、
アッコさんの不思議なランチコースを巡るうち、少しずつ
変わっていく自分に気づく(表題作)。読むほどに心が
弾んでくる魔法の四編。大人気の“ビタミン小説”をぜひ
ご賞味ください。



大きな森の小さな家
大草原の小さな家
プラム・クリークの土手で
表紙が目に浮かぶ…

やかまし村
ロッタちゃん
長くつ下のピッピ

カッレくんもいれて


ビアガーデンって日本で生まれたんですよ…
…(略)…
1953年、大阪で始まったんです。戦後焼け野原だった大阪に
ビルがにょきにょき建ち始めたころですね。ビアガーデンの
誕生の地となったのが、大阪第一生命ビル屋上。もともとは
そのビルの地下でレストランを経営していた…(略)…
屋上を借り切ってパーティーしたことが始まり…(略)…
屋上でビールを飲みたい、という声は後を絶たず、
とうとう屋上スペースを巨大なビアホールにすることになりました。
これがビアガーデン第1号です。


へぇ~。
大阪の第一生命ビルにも歴史あり


林真理子の『アッコちゃんの時代』のアッコちゃんとは
なんの関係もなかった…

ファンタジーですね。
親切な魔女の魔法の杖の一振りで…
そんなイメージ。

さらっと読めたけれど、
どれもハッピーエンドなんだろーか…

アッコちゃんが2話で終わっちゃったせいもあって
なんとなく消化不良な。
いや、そこまでしっかりした読後感でもないか。

ビタミン小説?


[柚木麻子]  [ランチのアッコちゃん]  [ゆずきあさこ

Tue2017.01.24


ゆっくりさよならをとなえる 川上弘美

ゆっくりさよならをとなえる 川上弘美
新潮社

2017.1.14

i
 雨蛙
 かすかなもの
 しょうがパンのこと
 はじめての本
 蝶々恐怖
 妻に似ている
 エレキな春
 古池
 おりがみとお便所
 多摩川
 拾い癖
 オクラの夏
 海
   ガルシア・マルケス 『エレンディラ』 「大きな翼のある,ひどく年取った男」
 ナポリタンよいずこ
 ペタペタ
 月の記憶
   イタロ・カルヴィーノ 『柔らかい月』
 生牡蠣とキノコ
 これ、食ってよ
 大阪
 覗き見る
   内田百閒 『御馳走帖』「餓鬼道肴蔬目録」
 蠅や蚊や
 猫のゆりかご
ii
 春のおでん
 パレード・正午
 連休のそらまめ
 昼顔
 夏の川
 古本屋街へ
 パーティー
 二勝三敗
 イタリア その一
 イタリア その二
 実家
 十六巻はいずこ
 井の頭公園
 明石
 明石ふたたび
iii
 金魚のC子
   藤枝静男  『田紳有楽』
 平凡
 赤い糸
 不幸に似通ったもの
   田辺聖子 『私的生活』
 別れた男
 爪切りも蠅も
 教訓なしの愉しみ
   ドロシー・ギルマン 『おばちゃまは飛び入りスパイ』
 マイナーとうとう
 本屋さんで
 春休みの鬱屈
 歩き読み
iv
 十二月
 雪の日
 海の記憶
 ハンカチ
 ムツカシイムツカシクナイ
 カウンターの外側
 わからないことなど
 はっさく、ぽんかん、夏みかん
 コーヒーのころ
 文京区千駄木五丁目
v
 ゆっくりさよならをとなえる
あとがき


川上弘美と小川洋子、混同しがち
これは川上弘美。

こけを食べる話は、小川洋子の『原稿零枚日記』。
こちらは小説。

きいちごのジャムやジンジャーブレッドの話、わかる~
ジンジャーブレッド、どんな味なんだろーってずっと思っていた。
ピッピがよく作っているから、どんなに美味しいのかと。
イギリスの湖水地方に行ったとき、
有名なお店で買ったジンジャーブレッドに、
思わず
「・・・」

文化の違いを感じたなぁ…

スパゲティナポリタンを「スパナポ」と略すのには
ちょっとびっくり。
「ナポリタン」じゃダメなの?
ほんとに「スパナポ」なの?

文中に出てきた本で、気になったモノをメモ。
そのうち借りてみよう


[川上弘美]  [ゆっくりさよならをとなえる]  [かわかみひろみ

Mon2017.01.23


巣立ち 諸田玲子

巣立ち 諸田玲子
新潮文庫

2017.1.15

第1話 ぎぎゅう
第2話 巣立ち
第3話 佳き日
第4話 お犬騒ぎ
第5話 蛹のままで
第6話 安産祈願
第7話 剛の者
解説  縄田一男


裏表紙より。

嫡男久太郎の婚姻の日が近づいていた。相手は、珠世の夫伴之助に苛酷な
陰働きを命じた前老中水野忠邦に連なる家の娘、鷹姫さま。祝言の日までの心労、
婚礼の場での思わぬ騒動、そして次男久之助も人生の岐路を迎えて――。家族が
増えた矢島家では、喜びも増え、苦労も増える。姑となった珠世に安寧の日々は
訪れるのだろうか。人情と機智にホロリとさせられる、好評シリーズ第五弾。



うそぉ…
久右衛門が… そんなあっさり


[諸田玲子]  [巣立ち]  [もろたれいこ

Sun2017.01.22


狐狸の恋 諸田玲子

狐狸の恋 諸田玲子
新潮文庫

2017.1.13

第1話 この母にして
第2話 悪たれ矢之吉
第3話 狐狸の恋
第4話 日盛りの道
第5話 今ひとたび
第6話 別の顔
第7話 末黒(すぐろ)の薄
第8話 菖蒲刀(しょうぶがたな)
解説――楊貴妃計画  深井国


裏表紙より。

夫伴之助が任務を終えて家に帰り、矢島家には平穏が戻りかけていた。
お鳥見役に任命された長男久太郎には縁談が持ち上がり、次男の久之助
にも想い人が……その成長は頼もしいが、久太郎の相手は一家の敵・
老中水野忠邦に連なる家の娘、久之助の見初めた娘にも家がらみの事情が
あった――子らそれぞれの幸せを願って温かい珠世の笑顔が、家族の絆を
支える好評シリーズ、文庫第4弾。



解説を書いているのが、カバー装画の深井国。

表紙の女性が

珠世の少し若いころを見るようなイメージで描きました。

とあってびっくり。
ちょっといろっぽすぎじゃない?
ちょっと幼く見えるけれど、「狐狸の恋」の幾乃あたりかと。


[諸田玲子]  [狐狸の恋]  [もろたれいこ

Sat2017.01.21


ジュリエット アリス・マンロー 小竹由美子訳

ジュリエット アリス・マンロー 小竹由美子訳
新潮社

Runaway
Alice Munro

2017.1.20

家出
チャンス
すぐに
沈黙
情熱

トリック
パワー
訳者あとがき


裏表紙より。

あれが人生の岐路だった。
読むほどに打ちのめされ、立ち尽くしてしまうような、
巨匠マンローの恐るべき才能をあますところなく味わえる、
ギラー賞受賞の短編小説集。



カバー裏より。

長距離列車で乗りあわせた漁師に惹きつけられ、やがて彼のもとで
暮らしはじめる大学院生のジュリエット(「チャンス」)。娘が生まれ、
田舎の両親を訪ねるが、父母それぞれへの違和感にこころは休まらない
(「すぐに」)。やがて夫は諍いのさなかに漁に出て、突然の嵐で遭難。
つねにそばにいてくれた最愛の娘は、二十歳のときに失踪し、行方知れず
のままだ。いまやバンクーバーで人気キャスターとなったジュリエットは、
ある日、娘の消息を聞く――(「沈黙」)。以上、マンロー版「女の一生」
ともいえる<ジュリエット三部作>のほか、ふとした出来事でゆすぶられる
人生の瞬間を描いて、マンローの恐るべき技量が冴えわたる短篇小説集。



なかなか読み進めなくて、それでも「家出」は好きかな。
「チャンス」に入って、でもやっぱり退屈かな…と思いながら、
ジュリエットの話が続いて、やっとエンジンがかかったのに、
「情熱」から、また別の人のお話…

「罪」にいけずに断念

続きはまた…


[アリス・マンロー]  [ジュリエット]  [小竹由美子

Fri2017.01.13


鷹姫さま 諸田玲子

鷹姫さま 諸田玲子
新潮文庫

2017.1.11

第1話 雪夜の客
第2話 鷹姫さま
第3話 合歓の花
第4話 草雲雀
第5話 嵐の置き土産
第6話 鷹盗人
第7話 しゃぼん玉
第8話 一輪草
『お鳥見女房』対談  根崎光男&諸田玲子


裏表紙より。

女だてらに鷹狩りに行きたがり「鷹姫さま」と呼ばれる気性の烈しい娘と
嫡男久太郎との縁談、次女君江のひそやかな恋。子らの成長と行く末を、
珠世は情愛深く見守る。また、鷹狩りを司り、幕府隠密の任務もあるお鳥見
役の主も、過酷な勤めを終えて帰ってきた。妻として深い痛みを抱えた夫を
気づかう――珠世の才智に心温まる、シリーズ文庫第三弾。



あーそうか。
この感じ、『御宿かわせみ』か。

一話一話、さらっと話をまとめているのだけれど、
うまいなぁ


[諸田玲子]  [鷹姫さま]  [もろたれいこ

Thu2017.01.12


蛍の行方 諸田玲子

蛍の行方 諸田玲子
新潮文庫

2017.1.11

第1話 ちまき泥棒
第2話 蛍の行方
第3話 捨案山子
第4話 縁の白菊
第5話 大凧、揚がれ
第6話 雛の微笑
第7話 裸嫁
第8話 風が来た道
『お鳥見女房』対談  根崎光男&諸田玲子


裏表紙より。

密命を帯び、お鳥見役の主が消息を絶って一年余り。留守を預かる女房
珠世に心休まる日はない。身近かに暮らす子供らの人知れぬ悩みを知って
心くだき、その成長を見守り、隠居となった父の寂寥を慰め、組屋敷に
転がり込んだ男女と幼子らの行く末を案じる……。人生の哀歓を江戸郊外の
四季の移ろいとともに描く連作短編。珠世の情愛と機転に、心がじんわり
熱くなる――お鳥見一家の清爽人情話、シリーズ第二弾。



何はともあれ、めでたしめでたし


[諸田玲子]  [蛍の行方]  [もろたれいこ

Tue2017.01.10


お鳥見女房 諸田玲子

お鳥見女房 諸田玲子
新潮文庫

2017.1.8

第1話 千客万来
第2話 石榴の絵馬
第3話 恋猫奔る
第4話 雨小僧
第5話 幽霊坂の女
第6話 忍びよる影
第7話 大鷹狩
珠世さん、親友になりたいんです。  向田和子


裏表紙より。

将軍の鷹狩りの下準備をするお鳥見役には、幕府の密偵という裏の
役割があった。江戸郊外、雑司ケ谷の組屋敷に暮らす矢島家は、
当主が任務のため旅立ち、留守宅を女房・珠世が切り盛りしている。
そんな屋敷に、ある日、子だくさんの浪人者が押しかけて来て……
さまざまな難題を持ち前の明るさと機転で解決していく珠世。その笑顔と
大家族の情愛に心安らぐ、人気シリーズ第一作。



あらびっくり!
解説が向田和子!

諸田玲子、向田邦子の脚本のノベライズをやってたんだ。
(たぶん、経歴で読んでいると思わないでもないが、
当然覚えていない

お鳥見女房ってなに?
と思ったら、将軍家の鷹狩の係がお鳥見役というのでした。

珠世があまりにできすぎで、
実際こんな菩薩のような人がいたら、
ちょっとイラっとしそうだけれど。
ほのぼのムードで物語が進むので
さらさら読める。

いや、結構凄惨な話だったりもするけれど。
とりあえず、シリーズ読んでみよう


お鳥見女房
蛍の行方
鷹姫さま
狐狸の恋
巣立ち
幽霊の涙
来春まで


[諸田玲子]  [お鳥見女房]  [もろたれいこ

Sat2017.01.07


坂の途中の家 角田光代

坂の途中の家 角田光代
朝日新聞出版

2017.1.5


清志郎の声が頭の中でリフレイン

たまらん坂を登りきる手前の坂の途中の家を…

なので、なんとなく物悲しいけれど幸せな感じで
読み始める。
リクエストの順番待ちの間に、どんな本なのかの
予備知識はきれいさっぱり消えている。

序盤から、裁判員裁判を書きたかったための小説か…
と、思うくらい、平坦な描写が続く。
母が、途中でやめた、というのもうなずける。

と、思いながら読み進めていくうちに、
もしかして、これは『春にして君を離れ』の
パターンか?

里沙子が内省していくうちに、気づいた真実の姿…

けれど実際は、青空のような陽一郎は、静かな、おだやかな、
こちらを気遣うようなもの言いで、ずっと私をおとしめ、傷つけてきた。
私にすら、わからない方法で。里沙子はそのことだけは、今や
はっきり理解している。

やはり裁判で私はおかしくなって、陽一郎を誤解しているのだろうか。
水穂に肩入れするあまり、自分まで被害妄想にとらわれてしまったのか。

憎しみではない、愛だ。相手をおとしめ、傷つけ、そうすることで、
自分の腕から出ていかないようにする。愛しているから。それが
あの母親の、娘の愛し方だった。
それなら、陽一郎もそうなのかもしれない…(略)…陽一郎もまた、
そういう愛し方しか知らないのだ――。


そうなのかもしれないし、そうでないのかもしれない。

でも、考えて考えて気づけたことで、里沙子は大丈夫だと思う。

なにより、「こんなことで」というくらい些細なことで
どんどん追い詰められてしまう心理がとてもよくわかって。
だから、周りの人たちの悪意が心底コワイ。

でも、自分もふくめ、こういう人って、普通にいる。

『春にして君を離れ』、読み返そうかな…


[角田光代]  [坂の途中の家]  [かくたみつよ