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Mon2014.03.31


ラッシュライフ 伊坂幸太郎

ラッシュライフ 伊坂幸太郎
新潮社

2014.3.29

最高時速二四〇キロの場所から物語が始まる
時速一三七四キロで日は沈みはじめ、物語はようやく動き出す
秒速二メートルで回転するコンパクトディスクが止まり、物語も急速に終わりに近づく


『首折り男のための協奏曲』がちょっと物足りなかったので、
『ラッシュライフ』と『チルドレン』を借りてくる。

新潮社のHPより。

バラバラに進行する五つの物語が、最後の一瞬で一枚の騙し絵に収斂する。

自らトランクを開け、歩き出したバラバラ死体。神様の仕組みを暴くため、
教祖を解体する信者たち。鉢合わせした二人の泥棒。ひょんなことから拳銃を
手にした失業者。金で買えない物はないと思っているアブラギッシュな富豪。
常軌を逸した謎、交錯する十余の人生、唯一無二にして問答無用の結末。
これぞミステリの醍醐味!


黒澤がもっぱら空き巣として登場。
『ラッシュライフ』、2回は読んでいるハズなのに、
ほとんど覚えていない

トランクに入れたハズの死体が、バラバラ死体になって、
またつながった死体がトランクから歩き去る…
なんて、一体どういうトリックだったけ、と、心底悩む。

終章のタイトルにあるように、最後バタバタと物語が収束する。
ちょっとあっけないくらい。
まあ、救われてほしい人が救われるのだけれど、
河原崎くんはどうなっちゃうんだ

お話の切れ目のアイコンが、それぞれの登場人物を表していることに、
読み終わってから気づく。

抜き足差し足… 黒澤
神様… 河原崎
車… 京子
犬と人… 豊田

志奈子と戸田は、最初と最後にしか出てこないから、
アイコンはないのか。
前に読んだときにも思ったような…
私の脳みそ、ザルだー…

文庫版も借りてみようかな


途中、豊田が、復讐しようと上司の後をつけるタクシーの中で
流れているニュースの強盗事件が、『チルドレン』の中の『バンク』か


[伊坂幸太郎]  [ラッシュライフ]  [いさかこうたろう

Sun2014.03.30


首折り男のための協奏曲 伊坂幸太郎

首折り男のための協奏曲 伊坂幸太郎
新潮社

2014.3.27

首折り男の周辺
濡れ衣の話
僕の舟
人間らしく
月曜日から逃げろ
相談役の話
合コンの話


帯から。

贅沢すぎる連作集!

首折り男は首を折り、
探偵は物を盗み、
小説家は物語を紡ぎ、
あなたは――、この本を貪り読む!



期待が大きすぎたか、読んだことがあるお話が3つもあったせいか…
いや、多分、首折り男こと大藪がそんなに出てこない、というのが
一番大きいと思うのですが…


◇ 首折り男の周辺
『Story Seller』で読んだ。
首折り男こと大藪さんと、間違えられた男と。
大藪さん、死んじゃうってことは、残りの6編は…?


◇ 濡れ衣の話
こちらも首折り男登場。
でも、大藪さんじゃないのかな。
そうそう人の首を折って殺す殺し屋はいないだろうけど、
なんとなく違う感じ。


◇ 僕の舟
『最後の恋 MEN'S』で読んだ。
探偵で空き巣の黒澤登場。


◇ 人間らしく
これも黒澤登場。
『首折り男の周辺』もそうだけれど、いじめの話が辛すぎる


◇ 月曜日から逃げろ
これも黒澤登場。
逆回し… 月曜日がオチ?
ちょっとよくわからない
久喜山がとてもイヤなヤツで、じっくり読み返すのもヤだな…


◇ 相談役の話
怪談。
これは一体どうつながっているのか…
山家清兵衛(やんべ)こと山家公頼(きんより)、実在の人物。


◇ 合コンの話
『Story Seller 2』で読んだ。
首折り男、出てくるけど、これで終わるの…?


というわけで。
やったー伊坂幸太郎新刊~\(^o^)/
というテンションからは遠い…


で。
既読だから飛ばした『僕の舟』と『合コンの話』も含め再読。
『合コンの話』で大藪が、仕事を終えた(首を折った)報告メールの中で、

来る前にピアノコンサートのポスターを見かけた。
百年に一人の天才らしい。きっといいんだろうな。

どうせチケットは手に入らない。
せいぜい、CDで聴くのが精一杯じゃないか。

CDでもいい。

いつか聴けるだろうよ。死ぬまでには。
おまえが死ぬ時にはどこからか聞こえるさ。


というやり取りがあって。
この後、大藪も実際彼の演奏を聴けるんだが。
『首折り男の周辺』に戻ると、大藪が死んでいる部屋で
ピアノのCDがかかっていて、
大藪の横顔を見ると、心なしかピアノに耳を傾けながら
眠るようでもあった。

となるわけか。
大藪、ほんとに死んじゃったの…


[伊坂幸太郎]  [首折り男のための協奏曲]  [いさかこうたろう

Thu2014.03.27


下町ロケット 池井戸潤

下町ロケット 池井戸潤
小学館文庫

2014.3.26

プロローグ
第一章 カウントダウン
第二章 迷走スターダスト計画
第三章 下町ドリーム
第四章 掘れる心
第五章 佃プライド
第六章 品質の砦
第七章 リフト・オフ
エピローグ


第145回直木賞(2011年)受賞作。
池井戸潤、何を読んだことがあるのか思い出せず(『民王』でした)、
面白いのかなー… と思いながら読み始める。

ありがちな登場人物。
どんなピンチも結局乗り越えられる予定調和的な展開。
そしてピンチを切り抜けたと思ったら、また新たなピンチ、
でもきっとハッピーエンド…
と、先が読めるのに、一気に引き込まれる。

財前が出てきたところから、財前五郎=唐沢寿明から
なぜか北大路欣也があたまの中に登場
(多分『白い巨塔』に北大路欣也は出てこない)
勝手にTVドラマ的な重みが増す。多分、私の頭の中でだけ

面白かったー。
けど、「下町ロケット」って、町工場で作ったロケットが飛ぶ
って話じゃないのね…
そこが一番意外でした

さあ、次は伊坂幸太郎だ


[池井戸潤]  [下町ロケット]  [いけいどじゅん

Sat2014.03.22


ペテロの葬列 宮部みゆき

ペテロの葬列 宮部みゆき
集英社

2014.3.21


『誰か』『名もなき毒』に続く杉村三郎シリーズ待望の第3弾。
宮部みゆきの新たな代表作、誕生!

「悪」は伝染する。

今多コンツェルン会長室直属・グループ広報室に勤める杉村三郎はある日、
拳銃を持った老人によるバスジャックに遭遇。事件は3時間ほどであっけなく
解決したかに見えたのだが――。しかし、そこからが本当の謎の始まりだった!

宮部みゆき待望の現代ミステリー巨編!

事件の真の動機の裏側には、日本という国、そして人間の本質に潜む闇
が隠されていた!あの杉村三郎が巻き込まれる最凶最悪の事件!?息も
つけない緊迫感の中、物語は二転三転、そして驚愕のラストへ!


どんな真相が出てくるのか、期待が大きすぎたのか
途中やや失速感。
そして最後は… 「浮気かよ」って思う私は
汚れっちまってるんでしょうか
いや、浮気も深刻な問題ではあるけれど。
なにゆえ最後にそんな問題をはさむかな…
失速気味だった物語を、坂本君が盛り返したのに
なんだかなぁ… という読後感

杉村三郎、これ以上事件に巻き込まれるのは不自然だから、
続けるために、探偵にしたいのだろうとは思うけれど。
そして、探偵になるためには、今多コンツェルンを
出た方がよいのだろうけれど。
浮気って…
菜穂子がよくわからん。
前作もちょっとやな感じ と思った気がする。

森閣下の無理心中が好意的?に書かれているのにも、ちょっと違和感。
今多嘉親まで
「森にはあれでよかったんだろう。何よりも、夫人もそう望んでいた。
残念だと思うのは残った者の感傷だ」

と肯定的。
心中って、殺人では

あぁ、なんかすっきりしない

前2作から読み返したら、また印象は変わるかな。


[宮部みゆき]  [ペテロの葬列]  [みやべみゆき

Fri2014.03.21


穴 小山田浩子

穴 小山田浩子
新潮社

2014.3.17


いたちなく
ゆきの宿


もちろん、初小山田浩子。
『穴』は第150回芥川賞受賞作。

仕事を辞め、夫の田舎に移り住んだ夏。見たことのない
黒い獣の後を追ううちに、私は得体の知れない穴に落ちる。
夫の家族や隣人たちも、何かがおかしい。平凡な日常の中に
ときおり顔を覗かせる異界。


なんだろう… アリス?
ファンタジー? 妖怪譚?
ちょっとわくわくしながら読み進めると…
そんなにおどろおどろしくもなく、あわあわと終わってしまう。

『いたちなく』と『ゆきの宿』は、連作短編。
登場するのは2組の夫婦。
もっと狂気の世界が立ち現れるのかと思いきや、意外とちんまり
まとまって終了。
穴よりこちらの2作の方が面白かったけれど。
3作とも、ちょっと肩すかしな感じ。


[芥川賞小山田浩子]  []  [おやまだひろこ

Mon2014.03.17


悪魔の涙 ジェフリー・ディーヴァー 土屋晃訳

悪魔の涙 ジェフリー・ディーヴァー 土屋晃訳
文春文庫

The Devil's Teardrop
Jeffery Deaver

2014.3.10

Ⅰ 大晦日
Ⅱ とりかえっ子
Ⅲ 三羽のタカ
Ⅳ パズルの達人
著者あとがき
謝辞
訳者あとがき


図書館で、こんなところにジェフリー・ディーヴァー
(1冊だけちょっと離れていた)
と、借りてきたものの…
早々に、読んだことがあることに気付く。
読んだことがあるのはわかっているけれど、
先の展開はさっぱり思い出せず、素直に
どんでん返しにいちいちびっくり
既読なのに、真犯人にびっくりするってどーよ…

それくらいジェフリー・ディーヴァーのどんでん返しはすごい
ということで

ところで、奇跡を起こす男、FBI特別捜査官のハロルド・ケイジ、
リンカーン・ライムシリーズにも出てくるのだったか…


[ジェフリー・ディーヴァー]  [悪魔の涙]  [土屋晃

Fri2014.03.14


永遠の0 百田尚樹

永遠の0 百田尚樹
講談社文庫

2014.3.13

プロローグ
第一章 亡霊
第二章 臆病者
第三章 真珠湾
第四章 ラバウル
第五章 ガダルカナル
第六章 ヌード写真
第七章 狂気
第八章 桜花
第九章 カミカゼアタック
第十章 阿修羅
第十一章 最期
第十二章 流星
エピローグ


文庫本の分厚さに、ちょっとひるんで、
(百田尚樹だし)読むのをやめようかとも思ったけれど、
せっかく借りたし、読んでみることに。

前半で、戦史の蘊蓄語りたいだけ?
ちょっと飽きてきて、飛ばし読み。

宮部のエピソードを拾っていって
「愛していたか?」なんて嘘くさいわー と違和感を抱きつつ
ときどき涙

通勤途中に、まんまと泣かされてる…

そして、ラストに向かって、もー…
あざといなーと思いつつ、涙腺ユルユル。
会社の手前でちょうど読み終わったけれど、
もう目泣き腫らしてタイヘン

電車を降りたところで、ちょうど一緒になった新人ちゃんに
「今、ゼロ読んでまんまと号泣ー」
と言ったら、
「ゼロ、私も読みました けど、全然泣けませんでした」

「うそーぉ 全然
「はい。なんかちょっとやりすぎって感じで。
   最後つながっちゃうとことかやりすぎですよね?」

確かに。
最初、宮部は臆病者だったと貶めておいて、
徐々にいいエピソードが増えていって…
話を聞かせてくれる老人達が、都合よく宮部の人生の
年表通りに出てきて。
最後、そこもかー というどんでん返し。
現代でもたたみかけるようなハッピーエンディング。

百田尚樹は、もういいかな

ところで、永遠のゼロって、どういう意味?
なにが永遠?


[百田尚樹]  [永遠の0]  [ゼロ]  [ひゃくたなおき

Sat2014.03.08


問いのない答え 長嶋有

問いのない答え 長嶋有
文藝春秋

2014.3.7


帰る
マジカルサウンドシャワー
問いのない答え
フキンシンちゃん奮闘する!
Antediluvianisch(ノアの洪水以前の)
ダイナモ
真円でないもの
点と点と点


短編集ではなく、1つのお話。
というか、目次にあるタイトルで明確に切れるわけでもなく。

と、1行はさんで、ひたすら続く。
「●」で登場人物が交代するならまだしも、数行でどんどん入れ替わる。
『たけくらべ(樋口一葉)』のように、リズムに乗るまで読みにくい
文頭にアイコン入れてくれ、とも思う
そのうちあきらめて読み流す。

ツイッター上の言葉遊びでつながって、実際にもつながっていく人たち。
ちょっとうらやましい


[長嶋有]  [問いのない答え]  [ながしまゆう

Tue2014.03.04


アズミハルコは行方不明 山内マリコ

アズミハルコは行方不明 山内マリコ
幻冬舎

2014.3.3

第1部 街はぼくらのもの
 1 木南愛菜とキャバクラ時代
 2 富樫ユキオと名古屋時代
 3 三橋学と中学時代
 4 今夜、街はぼくらのもの
 5 安曇春子は行方不明
第2部 世間知らずな女の子
第3部 寂しいと何しでかすかわかんない
 1 地方新聞社文化部記者・樫木あずさ
 2 アートフェス2013総合ディレクター・津川ジロー
 3 キルロイ再び、参上
 4 目覚めよ愛菜


地方都市の閉塞感、先の見えない絶望。
一見軽やかな語り口で描かれるどん詰まり感。
あぁ、安曇春子は私だ…
いや、私には「今井さん」がいない…

『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』と
少女ギャング団の挿話が疾走感を与えてくれるので
イヤな感じは残らない。
でも、これってファンタジーだよなぁ…

『ここは退屈迎えに来て』もそうだった(気がする)けれど
人にススメるかと言われたら、NO
だけれども、次も読みたい山内マリコ。


[山内マリコ]  [アズミハルコは行方不明]  [やまうちまりこ

Mon2014.03.03


人生はニャンとかなる! 明日に幸福をまねく68の方法 水野敬也 長沼直樹

人生はニャンとかなる! 明日に幸福をまねく68の方法 水野敬也 長沼直樹
文響社

2014.3.2


A部長が「これ買ってみたんだけど、先に読む?」と貸してくれる。

ネコの表紙がかわいくて気になってたんだ…
パラパラめくると、悶絶するほどかわいい写真がたくさん
すごーい、こんな写真、どうやって撮ったの
写真と添えられた一言に感心しながらパラパラやって。
見開きじゃなく、表裏でセットなんだ…
そーか、1ページずつ切り取れるんだ。
すごいなー…
と感心するも、裏面もあわせて読んでいくうちに、ちょっと疑問符…
これって、誰の言葉?

誰かが言った言葉、というわけでも、
言った言葉をアレンジしたわけでもないのか…

「はじめに」に戻ってみると。
表面 猫が教えてくれる「大切なこと」
裏面 裏面には、「大切なこと」に関わる「偉人エピソード」と「偉人たちの名言」が載っています。


偉人エピソード、こじつけめいたのもあって、
だんだんうっとおしくなる…
パラパラやって、「やーん、かわい~い」と
悶絶するのが正解か

『人生はニャンとかなる!』を読んだ後に、先月の読売新聞の
『ベストセラー怪読』の書評(河合香織)を読んで、びっくり。

かわいすぎる犬猫の写真は、その種の写真を多く持つ会社から購入し、
参考文献には巷にあふれる名言本や名言サイトの数々が連ねられる。
…(略)…
こだわって猫写真の撮りおろしなどせず、コストとスピードを重視して
最短でベストセラーに導く冷徹さ。…(略)…
グロテスクなまでに癒されることを求める社会の病理を見抜く観察眼。
それも、単なる癒しで終わらず、できたら今いる場所を抜け出して、
本来あるべきと(本人が思う)自分になれるように啓発されたい、
しかもお手軽に、という心理を分析するマーケティング力。
…(略)…
戦略的とは、このことを言う。ありふれた格言集より、むしろこの本の
成り立ちにこそ学ぶべきではないだろうか、ニャンて。


この本のために写真を撮ったわけじゃないんだ…
でも、絶妙のかわいい写真がいっぱい
やっぱり裏面いらないわー


[水野敬也]  [長沼直樹]  [人生はニャンとかなる!]  [明日に幸福をまねく68の方法]  [みずのけいや]  [ながぬまなおき