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Sat2013.08.31


死神の浮力 伊坂幸太郎

死神の浮力 伊坂幸太郎
文藝春秋

BUOYANCY OF DEATH

2013.8.30

Prologue
Day 1  一日目
Day 2  二日目
Day 3  三日目
Day 4  四日目
Day 5  五日目
Day 6  六日目
Day 7  七日目
Epilogue


10歳の娘を殺された作家とその妻の前に現れた死神。
娘を殺した犯人は、裁判で無罪に。

もどかしいからかコワイからか、先が気になって仕方ない。
ので、「Day 2」の途中くらいからラストまで
一気に拾い読み
昔は結末を先に読むなんて、絶対できなかったのに
これで安心して読める

人間の発明したもので最悪なのは、渋滞だ
最高なのは、ミュージックだ
という、死神の千葉。
今回の調査対象は、作家の山野辺。
千葉は、娘を殺した本城に復讐しようとする山野辺夫婦に同道。

対象の人物の死を「可」とするか「不可」とするか、
死神の調査期間は1週間。
「可」と判断されれば、対象は8日目に死を迎える。
千葉の判断は、たいてい「可」。

ところが、途中、本城を担当する死神の香川登場。
香川は、寿命還元キャンペーン(20年保証)を使って
みるらしい…

ラストにはしみじみびっくり。

「なのに、死なないのか?」
「二十年ね。そう決めちゃったから」
「痛みはどうなんだ」
「そりゃ、あるだろうね」
「あるだろうね?」当然のように言われ、私はさすがに
聞き返した。「不死身になるんじゃなかったのか」
「あと二十年、生きられますよ、って話だから。別に、怪我や
痛みから逃れられますとは書いてなかったんじゃないのかな」
「何に書いてなかったんだ」
「キャンペーンの但し書きに」


「それにしてもなかなか死ねないから、きっと本城も驚くかもね」
「驚く?」
「つらすぎて」


死神も、エドガーやアランのように、いつの時代も同じ容貌の方が
いいんじゃないかなぁ…
でも、調査対象に接触するのに適した人相風体があるのか。
それに、同じ容貌だと死神がいる証拠が残りすぎるのか。
ん? 死神さんは、鏡やカメラにうつるのかしら…
あ、千葉は防犯ビデオにうつってましたね。
カメラ社会で、ずっと同じ容貌では生きて(?!)いけないですね…


[伊坂幸太郎]  [死神の浮力]  [いさかこうたろう

Fri2013.08.30


青空チェリー 豊島ミホ

青空チェリー 豊島ミホ
新潮文庫

2013.8.28

ハニィ、空が灼けているよ。
青空チェリー
誓いじゃないけど僕は思った
文庫版あとがき
解説 藤田香織


◇ハニィ、空が灼けているよ。

豊島ミホ、こんな本書いてるんだ。
予想外

戦場は今のところ、この国にはなかった。私が行ったことのない
遠い地で、この国の兵器が誰かを傷つけている、それだけと言えば
それだけ、関係ない話だと割り切ることも不可能じゃないのだ。
割り切っているにしてもいないにしても、この国の人たちはみんな、
以前と変わらない様子で過ごしていた。
…(略)…
しょせん私たち一般市民が戦争の被害をかぶることはない--はずだった。
私たちは、いつのまにか安全地帯からはみ出していたのだ。


一面の先頭に、白抜きの大きなゴシック体で「徴兵法成立」の文字が並んでいた。

本当に、ある日現実になっていそうでコワイ。


◇青空チェリー

こんなに過激じゃなかったけれど
予備校は楽しかったなぁ


◇誓いじゃないけど僕は思った


[豊島ミホ]  [青空チェリー]  [としまみほ

Thu2013.08.29


やさぐれるには、まだ早い! 豊島ミホ

やさぐれるには、まだ早い! 豊島ミホ
メディアファクトリー

2013.8.27


豊島ミホ、なんか好き
L25の連載、楽しみだったなぁ。
今読んでも面白い


[豊島ミホ]  [やさぐれるには、まだ早い!]  [としまみほ

Wed2013.08.28


雨の塔 宮木あや子

雨の塔 宮木あや子
集英社

2013.8.25

この世の果て
桜の海
深夜の月
浅葱の鳥
歌のつばさ
夕日の丘
いつかのこと
サルヴェイジの森
終息の断崖
雨の塔


「文芸あねもね」に入っていた「水流と砂金」の雰囲気が、
ちょっとカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を
思い起こさせるので、気になって借りてみた。

矢咲と都岡、小津と三島がすぐごっちゃになる

矢咲実(みのる) 長身 ベリーショート 西洋の王子様
小津ひまわり ショートボブ 小柄 
オリエンタルな顔立ち リルファン 母中国人デザイナー

都岡百合子 ユリコ・ロバートソン 長髪 舶来のお人形 父イタリア系アメリカ人
三島敦子 髪の長い小さいお人形 父三島翁

小津が死んじゃうとはなぁ…


[宮木あや子]  [雨の塔]  [みやぎあやこ

Tue2013.08.27


たったひとつの冴えたやりかた ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 浅倉久志訳

たったひとつの冴えたやりかた ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 浅倉久志訳
ハヤカワ文庫

THE STARRY RIFT
James Tiptree, Jr.

2013.8.18

たったひとつの冴えたやりかた
グッドナイト、スイートハーツ
衝突


木皿泉の「木皿食堂」に出てきたので借りてみた。

と。メモっといてよかった
誰の何に載ってたんだっけ?
と既に思ってた
… でも、どんな風に引用されていたかは…

表紙と挿絵が川原由美子。
小学生の頃、SF = Space Fantasy だと思っていた
ことを思い出す

のに、まずはじめに読んだ訳者あとがきで、作者のジェイムズ・
ティプトリー・ジュニア(アリス・シェルドン夫人)が、
1987年に夫を射殺した後自殺(合意の上の心中?)していた
ことを知る。

ショーゲキ的予備知識


◇たったひとつの冴えたやりかた

ひとりの子供がいるとしよう。黄色い髪、だんご鼻に
ソバカス、人の顔を穴のあくほど見つめる緑のひとみ、
金持ちのはねっかえり娘、当年とって十五歳。


キャンディか(古い)

挿絵もかわいいし、誕生日に小型宇宙船をプレゼントされた
金持ちのお転婆娘の大冒険
… かと思ったら、予想外の物語の結末に号泣。
たった15歳で、冷静に自分のおかれた状況と、引き起こされうる事態を
判断し(しかも激痛の中で)、勇敢に太陽に飛び込んだコーティ。
切なすぎる…


[ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア]  [たったひとつの冴えたやりかた]  [浅倉久志]  [James]  [Tiptree,]  [Jr.

Mon2013.08.26


これからお祈りにいきます 津村記久子

これからお祈りにいきます 津村記久子
角川書店

2013.8.23

サイガサマのウィッカーマン
バイアブランカの地層と少女


◇サイガサマのウィッカーマン

ニスの臭い、粘土細工の内臓と、なんだかよくわからない
幕開けで、主人公がひどいニキビに悩む冴えない高校生シゲル。
… 読むのがツライ
東野圭吾の登場人物が美男美女ばかりなのは、やっぱり
理にかなっているんだなー
この本、最後まで読めるかな、と不安に思ったりもしたのに。
サイガサマ? 神様なの?
申告物? お供え物?
なんだか不思議な物語が、普通の日常として語られる世界に
知らず知らず引き込まれていく。

サイガサマは、人間の体にとても興味があって、本気で何かを
右から左へ動かすときは、願をかけた者の体の何かを取っていく。
人間の体の一部から力を得て、その願いを叶えるという、ほとほと
下等な神様なのだ。祈願する人は、どこを捧げるかは指定できない
けれども、どこを取られたくないかは申し出られる。申請方法は、
それを細工物の形にして、冬至の祭りの日に捧げられる人型
(ひとがた)に編んだ籠の中に放り込むことである。


サイガサマが、庶民の願いを叶える代わりに持ち去る体の一部は、
病気になると痛むとかそういうものではなくて、体からそっくり
なくなってしまうものなのだ


願いがかなった後、片目がぽろっと取れる?
髪の毛がなくなる?
朝起きたら、左手の薬指の第2関節まだがぽろっと落ちてなくなった?

でもなんだろう、クセになる美味しさ?

最後にシゲルからなくなったものは、なんだかなーだけど


◇バイアブランカの地層と少女

あれ?
「これからお祈りにいきます」って作品は、ないの?
と、遅まきながら気づく。

でも、そうか、どちらもお祈り絡みなんだ。

京都から出たことのない、大学生の作朗。
京都観光に興味のある外国人のためのコミュニティサイトで
知り合った、ブエノスアイレス州バイアブランカ在住のファナと
やり取りするうち、少しずつ広がっていく作朗の世界。
初恋のヒトに再会し、ごはんの約束を取り付けたのに、
それをすっぽかして、ファナの彼のケガが治るように、
清凉寺の法輪を回し続ける作朗。
ファナに会いに行こうと、ブエノスアイレスへの旅を手配し、
いざ出発、というときに、ハリケーンで欠航。

特になにが起こるわけでもないのに、しっかりその世界に
取り込まれる、不思議な読後感。


[津村記久子]  [これからお祈りにいきます]  [つむらきくこ]  [サイガサマのウィッカーマン]  [バイアブランカの地層と少女

Sun2013.08.25


世界地図の下書き 朝井リョウ

世界地図の下書き 朝井リョウ
集英社

2013.8.22

三年前
晩夏
新涼
暮秋
初雪



施設にやってきたばかりの太輔(たいすけ)(小3)。
佐緒里(中3)、美保子(小2)、淳也(小3)と麻利(小1)の兄妹。
… 読んだことあるような… と思ったら、
「三年前」は、アンソロジー「いつか、君へ Boys」の
「ひからない蛍」でした。
よかった

3年生だった太輔が、小学校を卒業する春までの物語。

装画は、スタジオジブリのアニメーター近藤勝也。


[朝井リョウ]  [世界地図の下書き]  [あさいりょう]  [スタジオジブリ]  [近藤勝也

Sat2013.08.17


終戦のエンペラー ピーター・ウェーバー監督 トミー・リー・ジョーンズ

終戦のエンペラー
ピーター・ウェーバー監督

2013.8.16

EMPEROR

フェラーズ: マシュー・フォックス
マッカーサー: トミー・リー・ジョーンズ
高橋: 羽田昌義
アヤ: 初音映莉子
鹿島大将: 西田敏行
鹿島夫人: 桃井かおり
昭和天皇: 片岡孝太郎
東条英機: 火野正平
近衛文磨: 中村雅俊
木戸幸一: 伊武雅刀
関屋貞三郎: 夏八木勲 


知らなかったこと。

天皇陛下の車がお通りになるとき、頭を下げるのはもちろん、
道に背中を向けて頭を下げること。
今なんて、陛下にもケイタイのカメラ向けちゃうもんなぁ…

天皇陛下の玉音放送用のレコード盤を奪うために、
一部軍部が皇居に武力突入し、クーデター未遂
(宮城(きゅうじょう)事件)
… 日本史、ちゃんとやってない

マッカーサーが大統領選に出ようとしていたこと。

などなど。


GHQに接収された第一生命ビルがモダン。
今も数段階段を上って入り口のあたりとか、
ほんのちょっぴり面影があるような…


奈良橋陽子の祖父が関屋貞三郎。


[終戦のエンペラー]  [ピーター・ウェーバー監督]  [トミー・リー・ジョーンズ

Fri2013.08.16


Love Letter 石田衣良 島村洋子 川端裕人 森福都 前川麻子 山崎マキコ 中上紀 井上荒野 桐生典子 三浦しをん いしいしんじ

Love Letter 石田衣良 島村洋子 川端裕人 森福都 前川麻子 山崎マキコ 中上紀 井上荒野 桐生典子 三浦しをん いしいしんじ
幻冬舎

2013.8.15

石田衣良   ありがとう
島村洋子   空
川端裕人   ラブレターなんてもらわない人生
森福都    再会
前川麻子   ミルフイユ
山崎マキコ  音のない海
中上紀    水槽の魚
井上荒野   虫歯の薬みたいなもの
桐生典子   竜が舞うとき
三浦しをん  永遠に完成しない二通の手紙
いしいしんじ きまじめユストフ


んー… 誰を読みたくて借りたんだっけ?
山崎マキコ?
井上荒野と三浦しをんもいる


◇石田衣良 ありがとう

クロイツフェルト・ヤコブ病と、無動性無言という言葉を
使ってみたかったのね…


◇島村洋子 空

今どき「画家になるために」スペインに行ってしまった
妹の恋人。
毎週届いていた恋人からのカードが、約束の2年を前に途絶え…


◇川端裕人 ラブレターなんてもらわない人生

ラブレターをもらったこともない、平々凡々に生きていた僕が、
そうと気づかずに、ただ一度もらっていたラブレター。
それでもやっぱり、平々凡々と生きていく僕。


◇森福都 再会

森絵都?
じゃなくて、森福都?
もりふく・みやこ。


◇前川麻子 ミルフイユ

彼女は、彼から切り出された別れ話に、耳を塞いで
「聞きたくない」と絶叫したのだろうと。
「悪いところは直すから」と懇願したのだろうと。
…(略)…
どこで何を間違えてそんなところに迷い込んでしまった
のか、ひたすらに悔やみ、足下さえ見えなくなる。
…(略)…
とうに痛みは感じられないはずなのに、痛みの記憶だけが
絡みつく。



◇山崎マキコ 音のない海

幼少期からの性的虐待とDVと
救いはあるのか…


◇中上紀 水槽の魚

水槽の魚になりたい、のとアジアの国の暮らしが
どうもリンクしない…


◇井上荒野 虫歯の薬みたいなもの

4歳から15歳まで暮らしていた懐かしい町を訪れる。
なんかいいな、こういうともだち。


◇桐生典子 竜が舞うとき

つまらない意地を張っている間に、恋人が交通事故死。
彼女は一人、恋人が見たがっていたオーロラを見に
カナダへ。
「きみ」って語っているのが「彼」でした。


◇三浦しをん 永遠に完成しない二通の手紙

惚れっぽい友人が、大騒ぎしながらラブレターを
書いているのを、切なく見守る俺。
三浦しをん、鉄板


◇いしいしんじ きまじめユストフ

これ、面白い
いしいしんじって、誰?
ゴーゴリみたいな、不思議な味わい


[Love]  [Letter]  [石田衣良]  [島村洋子]  [川端裕人]  [森福都]  [前川麻子]  [山崎マキコ]  [中上紀]  [井上荒野

Thu2013.08.15


レーン ランナー3 あさのあつこ

レーン ランナー3 あさのあつこ
幻冬舎

2013.8.14

光の季節
暮れなずむ街で
一滴の雨が
小波のように
光を浴びて
これからの風景
白くくねった道
ただ走る


青春小説とか走る話が好きな母が借りてきた
あさのあつこ。

ランナー3
3
って書いてあることにまったく気づかず読了。
(母もわかっていなかった
どうりでわかりにくいハズ…

ランナーが2人。
三堂貢(みどうみつぐ)と加納碧李(かのうあおい)。
貢の従兄弟、坂田光喜(さかたこうき)。
碧李の友人、久遠信哉(くどうのぶや)。

で、信哉が碧李のことを「ミド」と呼ぶ…

続編だと思っていなかったので、もう混乱の極み
なぜ、碧李=ミド
ま、あだ名だからね、なんと呼んでもいいや。
でも、なぜ「ミド」と呼ばれる少年のライバルが「三堂」?
なぜそんな名前に…

おい、ミド
…(略)…
三堂に勝つためのトレーニングを考案する


って、言ってる本人も「」でしょ

あれやこれや???だらけで
読み終わり… 「3」に気付いた次第。

「ランナー」と「スパイクス」読んでから出直します

いやー、でも、普通続編って、本の終わりとかに
前作の紹介載せませんか…


読めなかった漢字

息が痞える。
つかえる、って読むんだ。
胸が痞える、もちが痞える…

黒眸。
こくぼう?
「蒼眸黒眸(そうぼうこくぼう)」菊池寛。
ふーん…




[あさのあつこ]  [レーン]  [ランナー3

Wed2013.08.14


泣き童子 三島屋変調百物語参之続 宮部みゆき

泣き童子 三島屋変調百物語参之続 宮部みゆき
文藝春秋

2013.8.12

魂取の池 たまどりのいけ
くりから御殿
泣き童子 なきわらし
小雪舞う日の怪談語り
まぐる笛 まぐるぶえ
節気顔 せっきがん


三島屋変調百物語、「おそろし」、「あんじゅう」に
次ぐ最新刊


◇魂取の池
相思相愛の幼馴染との結婚が決まった器量よしのお文。
お文と同じく悋気の強かった祖母は、やはり相思相愛だった
幼馴染の許婚の心を試すために、2人して姿を映せば、
必ず男の気持ちが他の女に行ってしまうという言い伝えの
ある池を訪れ…

文中の挿し絵、女性が2人描かれていて、そうやら片方が
おちかなのでしょうが…
ちょっと勝気そうな笑顔で、頬杖(ではないけれど、片手を
顔にあてがっている)…
いやいやいや… おちかはお客様の前で、ぜーったい
こんなポーズしないだろー
と、ちょっと興ざめ。


◇くりから御殿
白粉問屋の隠居夫婦。
夫の実家は、上方の小さな漁師町で干物問屋を営んでいたが、
10歳の春に、大雨による山津波にのまれ、一人命拾いをした。
山津波の後、開放された網元の別宅のお屋敷で、不思議な経験をする。
懐かしい家に戻っていて、従姉や幼馴染とかくれんぼをして遊ぶ
夢を見ると、行方知れずだったその人が見つかる…


◇泣き童子
黒白の間に、飛び込みの客があり、そのまま倒れてしまう。
55歳で瀕死の老人にしか見えないその男が、不思議な子どもの
話を語り始める。
店子だった看板屋が育てていた捨て子が、3歳になる頃に、
泣きもしゃべりもしなくなった。
ところがある日突然、面妖なくらいの大泣きをするようになった。
どうやら、ある職人がそばに来ると大泣きするらしいとわかったが、
理由がわからないので、差配だった男があずかることに。
するとその夜、看板屋は押し込み強盗にあって皆殺しに。
件の職人が手引きをしたようで、子どもはその気配を察知して
大泣きしていたらしい。
引き取り手のいない子どもをあずかったままのある日、
男の娘が帰ってきた途端、子どもが火がついたように泣き出した…

子供がつと口から指を離すと、彼を見据え、彼に向かってこう言った。
――じじい、おれがこわいか。
人の声には聞こえなかった。


こ… こわい…
罪を重ねる娘もコワイし、それを許してしまった父親も
コワイけれど。


◇小雪舞う日の怪談語り
年の瀬に、黒子の親分と呼ばれる岡っ引きの半吉に誘われて、
おちかはお勝と2人で、札差が主催する怪談語りへ出かける。
心の煤払いのための階段語りの肝煎役は、井筒屋七郎右衛門という
札差の中でも大通(だいつう 飛びぬけて財を持ち勢いがある)の一人。


◇まぐる笛

豊かな檜の森だけが、財政の支えである北の国の小藩。
いつになく暑い夏に、数十年ぶりにまぐるという巨大な
獣が出て、人々をむさぼり食う。
かつて飢え乾いて無惨に死んでいった者たちの怨念が
形をとって現れたというまぐるを退治できるのは、
まぐる笛使いの女性。


◇節気顔

生家を勘当され、放蕩の限りを尽くした春一の前に現れた「商人」。
二十四節気の日ごとに、自分の顔を貸せという。
以来、節気日の一日は、死んだ人間の顔になってしまう春一。

――私は商人ですよ。
私が売るものを欲しがる人に売り、私が売りたいものを持っている
人から仕入れる。
――あいにく、お店は持っておりませんがね。なにしろ私のお客は、
あっちにもこっちにもいるもので、私も行ったり来たりしなくちゃ
いけませんから。
そのとき、春一は気がついた。
この男には影がない。
こいつは、この世のものではない。



[宮部みゆき]  [泣き童子]  [三島屋変調百物語参之続]  [みやべみゆき

Sun2013.08.11


男のおばあさん 楽しく年をとる方法 永六輔

男のおばあさん 楽しく年をとる方法 永六輔
大和書房

2013.8.11

<はじめに> 私、おじいさんをやめます。
第1章 パーキンソン病になりました。
 年をとるのは、初めてです
 自分の年齢と仲良くする
 平らなところを歩くのが難しい
 …(略)
第2章 転ぶ、転ばない、転べば
 「聴いていて、つらいです」から「ファイト!」まで、お葉書いろいろ
 小沢さんと加藤さんと一緒に「徹子の部屋」に出る
 たしかに、あったのに、ない?
 …(略)
第3章 毎日が波瀾万丈(笑)
 「なんだ、こりゃ、どうなってる」
 リハビリ疲れ
 車椅子生活になってみて
 …(略)
第4章 年はとってみないと、わからない
 年をとってよかったこと…その①
 葉書の上手な使い方
 つらい偶然
 …(略)
<おわりに> 老いる覚悟ができました。
「永六輔の誰かとどこかで」全国放送時間表


TBSラジオの「永六輔の誰かとどこかで」を元に
構成された永六輔の一人語り。

「闘病記」でもないけれど、「エッセイ」でもなぁ…
ということで、「闘病記」に。

母がよく聞いているラジオの永六輔の声が、
ある日あまりにグダグダになっていて、
びっくりしたことがある。

パーキンソン病だったんだ…

最近聞く永六輔の声は、だいぶしっかりしていると思う。
(母が聞いているのを、たまに耳にするだけで、熱心な
リスナーだはないけれど)

永六輔のような人が、病気のこと、老いのことを話せば、
色々なところに声が届くので、
言うことが変わろうが、矛盾しようが、それも含めて
どんどん話をしてほしいなぁと思う。
(たまにしか聞いてないけど


[永六輔]  [男のおばあさん]  [楽しく年をとる方法]  [えいろくすけ

Fri2013.08.09


ヒトリシズカ 誉田哲也

ヒトリシズカ 誉田哲也
双葉文庫

2013.8.7

闇一重 やみひとえ
蛍蜘蛛 ほたるぐも
腐死蝶 ふしちょう
罪時雨 つみしぐれ
死舞杯 しまいさかずき
独静加 ひとりしずか


多分、初誉田哲也。

誉田作品史上、もっとも予測不可能な傑作だ!!
1章ごとに急転する、まさかの展開の連続!
なんと邪悪で、なんと尊い物語なのか――。

待望の文庫化!次に驚くのは、あなただ!

オープニングから予測もできない壮大なストーリー展開に驚愕!
やがて明らかになる一人の女の哀しい運命に涙!
「ストロベリーナイト」の誉田哲也が警察小説を更に進化させた!


… と帯にやたら「」だらけの煽り文句。
これ、書店員さん達の言葉なんですね。
(図書館ではなく、ヒトから借りたので帯付き

章のタイトルが毒々しいけれど、そんなに
グロテスクなストーリーではなかった。

静加… ちょっと吉田秋生の「吉祥天女」の小夜子を
思い出しました。

「女はね、血なんか恐くないのよ、だって毎月血を流すんですもの」

ちょっと違うかな…
「吉祥天女」捨てるんじゃなかった…


[誉田哲也]  [ヒトリシズカ]  [ほんだてつや

Tue2013.08.06


うつうつひでお日記 その後 吾妻ひでお

うつうつひでお日記 その後 吾妻ひでお
角川書店

2013.8.3

まえがき
第1話 2006年12月
第2話 2007年1月
第3話 2007年2月
第4話 2007年3月
第5話 2007年4月
第6話 2007年5月
第7話 2007年6月
第8話 2007年7月
第9話 2007年8月
第10話 2007年9月
第11話 2007年10月
第12話 2007年11月
第13話 2007年12月
第14話 2008年1月
第15話 2008年2月
第16話 2008年3月
あとがき


「逃亡日記」よりイラストはいっぱい。
でも、まえがきで吾妻ひでお自身が、絵と文章は
リンクしていないと仰せ

ごめんなさい、絵の周りだけ拾い読み


[吾妻ひでお]  [うつうつひでお日記]  [その後]  [あずまひでお

Mon2013.08.05


逃亡日記 吾妻ひでお

逃亡日記 吾妻ひでお
日本文芸社

2013.8.3

口絵 失踪の地を行く&妄想劇場
MANGA 受賞する私
Chapter 1 失踪時代
Chapter 2 アル中時代
Chapter 3 生い立ちとデビュー
Chapter 4 週刊誌時代
Chapter 5 『不条理』の時代
Chapter 6 『失踪日記』その後
MANGA あとがきな私
Column
あずま史略年表


これも「闘病記」に入れちゃいます。

吾妻ひでお、こんな顔なんだー。
写真いるのかなー。

と、書いてから、まったく読み進まず。
図書館に返却せねば、と開くも…
ところどころ挫折
吾妻先生、マンガでやりましょう…


[吾妻ひでお]  [逃亡日記]  [あずまひでお

Sun2013.08.04


手紙 東野圭吾

手紙 東野圭吾
文春文庫

2013.8.3

序章
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
終章
解説 井上夢人


井上夢人が解説書いてる
ならば読まなくちゃ、とチャリティの古本セールで
購入した「手紙」。
たぶん、初

弟を大学にやるために、資産家の老婦人の家に
盗みに入った兄は、はずみで老婦人を殺してしまい、
強盗殺人犯に。
高校生だった弟は、以後ずっと、殺人犯の弟として
様々な差別を受ける。

東野圭吾、そんなに好きではないけれど、
やっぱりウマイなぁと思う。

井上夢人の解説、たった7ページだけれど、
本1冊分くらい深いかも


[東野圭吾]  [手紙]  [ひがしのけいご]  [井上夢人

Sat2013.08.03


黄金の庭 高橋陽子

黄金の庭 高橋陽子
集英社

2013.8.2


新庄耕の「狭小住宅」の巻末に載っていた紹介文に
質屋で手に入れたオパールの指輪が喋りだす
というようなことが書いてあったので借りてきた「黄金の庭」。

しゃべるオパールの指輪が出てくる前に、次々と不思議な
描写に出くわす。
初詣に行った近所の黄金寺のご本尊の閻魔様が
いたずらした男の子を投げ飛ばして本堂に戻っていったり。
夜空を見上げれば三日月の明かりで天女が3人踊っていたり。
豪邸の屋根にあしらわれたシャチホコが蛇を食べていたり。
広場の木の下に結跏趺坐で座る女の子が、両手から虹を出して
いたり。
しゃべるオパールの指輪がちっとも出てこないけれど、
しゃべるオパールどころじゃない話がてんこ盛り。
これってファンタジー?
にしては、淡々としていて、ファンタジーのわくわくさが
ないけど…

頭の中がながら、でいっぱいになりながらも1/3くらい
読み進んだところで、やっとオパール登場

金の台に直径一センチほどの楕円のオパールがついた指輪が
目にはいった。


「このオパールはおしゃべりオパールといいましてね、あること
ないことあなたにしゃべりますよ。なにしろ何億年も地中にいて
しゃべりたくてたまらなくなってますから」


きらきらと虹色に輝いてとても美しい。

という感想は普通ですが、青奈さん、質屋のオジさんに、

「でも、おしゃべりなオパールなんてそうないでしょ?
そんなめずらしいものをどうして」


なんでそんなに淡々と

公園の池では、毎日蓮の花からお釈迦様が生まれるにいたって
(しかも誰もびっくりしない)… なんだかすべてを放棄…
でもこの蓮からお釈迦様が生まれる光景がすごく素敵

正午になったのか、どこからか鐘の音がきこえてきて、するすると
蕾の蓮がどんどん花開く。太陽の光に照らされてピンクの蓮が花開く
瞬間はとても神秘的だった。ぽんと蓮の花がひらくと、花芯のところに
なにかちいさなものがあって、それをよくみると結跏趺坐をなさって
三昧にひたっていらっしゃるお釈迦様だろうか、まるで竹取物語の
かぐや姫のようにちいさくどの蓮の中にもいらした。


青奈と那津男、千ちゃんとダイヤさんとか、アーちゃんと黄金町の闇とか、
もうストーリー自体どうでもよくなってくる。
別に悪い意味ではなく、不思議な世界。

最後に、庭仕事をしようとした青奈が掘り出したブリキの缶の中から

「みらいのだれかさん。この手紙をよんだら、きっとしあわせになります」

という手紙が出てくる。

こんな手紙、私も欲しいな
いや、でも、断然、蓮の花に座るお釈迦様が見たいな

巻末に「狭小邸宅」の紹介文が載っていた。
第36回すばる文学賞受賞作が「狭小邸宅」と「黄金の庭」だったのね。


[高橋陽子]  [黄金の庭]  [たかはしようこ

Fri2013.08.02


恋のかけら 唯川恵 山崎ナオコーラ 朝倉かすみ 山崎マキコ 南綾子 小手鞠るい 豊島ミホ 井上荒野

恋のかけら 唯川恵 山崎ナオコーラ 朝倉かすみ 山崎マキコ 南綾子 小手鞠るい 豊島ミホ 井上荒野
幻冬舎

2013.8.1

ラテを飲みながら 唯川恵
電車を乗り継いで大人になりました 山崎ナオコーラ
アンセクシー   朝倉かすみ
ちょっと変わった守護天使     山崎マキコ
雪女のブレス   南綾子
無人島      小手鞠るい
銀縁眼鏡と鳥の涙 豊島ミホ
粉        井上荒野


昨日の「好き、だった。 はじめての失恋、七つの話。」も
さらっと読めたけれど。
こちらも、通勤の行き帰りでさらっと読了。

山崎マキコの「ちょっと変わった守護天使」楽しい
豊島ミホの「銀縁眼鏡と鳥の涙」、鳥の涙って
鳥山くんの涙なのか
がんばれ男子高校生


[恋のかけら]  [唯川恵]  [山崎ナオコーラ]  [朝倉かすみ]  [山崎マキコ]  [南綾子]  [小手鞠るい]  [豊島ミホ]  [井上荒野

Thu2013.08.01


好き、だった。 はじめての失恋、七つの話。 有川浩 朝倉かすみ 梨屋アリエ 石原まこちん 吉野万理子 紺野キリフキ 宮木あや子

好き、だった。 はじめての失恋、七つの話。 有川浩 朝倉かすみ 梨屋アリエ 石原まこちん 吉野万理子 紺野キリフキ 宮木あや子
MF文庫ダ・ヴィンチ

2013.7.31

失恋の演算     有川浩
ノベライズ     朝倉かすみ
Fleecy Love    梨屋アリエ
タマママーンを探して   石原まこちん
マリン・ロマンティスト   吉野万理子
とげ抜き師     紺野キリフキ
はじめてのお葬式  宮木あや子


◇失恋の演算 有川浩

双子の兄貴司が連れてきた婚約者のユカさんは
決して兄と僕を間違えない。

意識して外見を違える努力をしなくても、僕らを決して間違えない
誰かがどこかにいるんじゃないかと――僕は密かに夢見ていたし、
兄も多分同じだったと思う。


――このひとと最初に会ったのが僕だったらよかったのに。


◇ノベライズ 朝倉かすみ

安西さんには妻があるが、卯月は、「そんなの構わない」と思っている。
…(略)…
わたしは、「そんなの構わない」と思って始めたのだ。嘘じゃない。
そんなのちっとも構わないと思っていた。



◇Fleecy Love 梨屋アリエ

わたしは彼女が好きだった。なのに、彼女ははるか遠い
ところで生きていた。そう思うと、わたしは恋などした
ことがない、と思いこんでいた自分の愚かさに、涙が
とまらまくなってしまった。



◇タマママーンを探して 石原まこちん

妻に食わしてもらっている売れない漫画家の僕。
幼稚園の娘のために、同期の売れっ子漫画家に
サインをもらいに行くが…
憧れのタマママーンに会えるのかと思ったら、
「ぶたにんげん」がサインしてくれて、
帰り道に泣きじゃくる娘。
これも失恋


◇マリン・ロマンティスト 吉野万理子


◇とげ抜き師 紺野キリフキ

「とげ抜き師」のお話が、他にもあるようです。


◇はじめてのお葬式 宮木あや子

「私、村崎のことが好きだった。今でも好き。
同じ高校、いきたかった」



[好き、だった。]  [はじめての失恋、七つの話。]  [有川浩]  [朝倉かすみ]  [梨屋アリエ]  [石原まこちん]  [吉野万理子]  [紺野キリフキ]  [宮木あや子