Home>2013年07月  TotalPages1

Wed2013.07.31


いつも彼らはどこかに 小川洋子

いつも彼らはどこかに 小川洋子
新潮社

2013.7.30

帯同馬
ビーバーの小枝
ハモニカ兎
目隠しされた小鷺
愛犬ベネディクト
チーター準備中
断食蝸牛
竜の子幼稚園


小川洋子の本は、まとめるのが難しい。
あらすじを書こうとしても、どんどん長くなってしまうし。
気になった言葉を引用しても、それは本筋と関係なかったり…
とりあえず、あらすじをまとめるのはあきらめて、
各短編に登場する動物をメモしようとしたけれど、
これまたうまくいかない…


◇帯同馬
凱旋門賞のために渡仏するディープインパクトの帯同馬となった
ピカレスクコート。

秋になり、凱旋門賞でディープインパクトが三着に敗れる、
というニュースを目にする。ほどなく帰国したのち、禁止薬物の
検出による失格が伝えられる。ピカレスクコートが無事に帰って
きたかどうか、教えてくれる人は誰もいない。



◇ビーバーの小枝
ビーバーが齧った小枝は、すっかり皮が剥がれ、象牙のようにすべすべに。


◇ハモニカ兎
胃の中にある、消化を助けるための2つの胃石に、薬効があると言われ
乱獲され、絶滅したハモニカ兎。

自分達の村が、オリンピックのある競技の開催地となるが、
村人達は、それがどんなスポーツなのか全くわからず困惑する。

『本競技は球技でありながら、ボールを一定の場所へ運んだり、
定められた範囲でそれを打ち合ったりするスポーツではありません。
得点を示すのはボールではなく、選手の動きです』


これは一体なんのスポーツ?

『試合が終了するのは、時間によってでも得点によってでもありません。
両チーム27個ずつのアウトを取らない限り、試合は終わりません』


あぁ、野球か。野球を見たことも聞いたこともない人に
野球を理解してもらうって難しいんだな。


◇目隠しされた小鷺
底の抜けた空き缶に嘴と頭がすっぽりと入ってしまった小鷺。


◇愛犬ベネディクト
ベネディクトはブロンズでできたミニチュアの犬だ。


◇チーター準備中
英名 Cheetah
チーターの最期にはhがあった。…(略)…
いつからチーターの一番後ろには、hが潜んでいたのだろう。



◇断食蝸牛


◇竜の子幼稚園
身代わりガラスは直径五センチほどの、ずんぐりしたひょうたん形の
透明なガラスで、コルクの栓で蓋ができ、口の部分に取り付けられた
ワイヤーの止め具に細い革紐を通して、ペンダントのように首から
ぶら下げられる作りになっていた。…(略)…
何らかの理由で旅ができない人のため、身代わりとなる品をその中に入れ、
依頼主に成り代わって指定のルートを巡るのが彼女の仕事だった。


5歳の弟が、自分の誕生日「3月3日」が賞味期限の食べ物を見つけると
専用の宝箱に仕舞い、ときどき取り出して、日付を確かめてはまた
そっと仕舞う…
6歳の誕生日を迎える前に、幼稚園の滑り台にかばんの紐を引っかけて
窒息死してしまう…

結局、旅の途中に弟と出会った彼女は、あちら側の世界に
行ってしまったのだろうか…


[小川洋子]  [いつも彼らはどこかに]  [おがわようこ

Tue2013.07.30


ひたすら面白い小説が読みたくて 文庫解説コレクション 児玉清

ひたすら面白い小説が読みたくて 文庫解説コレクション 児玉清
中央公論新社

2013.7.28


あさのあつこ『弥勒の月』
荒山徹『柳生薔薇剣』
有川浩『阪急電車』
市川拓司『弘海―息子が海に還る朝』
宇江佐真理『夕映え』
上橋菜穂子『神の守り人』
北方謙三『鬼哭の剣―日向景一郎シリーズⅣ-』
北原亜以子『贋作天保六花撰(うそばっかりえどのはなし)』
幸田真音『日本国債』
幸田真音『周極星』
佐伯泰英『攘夷 攘夷 交代寄合伊那衆異聞』
真保裕一『繋がれた明日』
竹田真砂子『牛込御門余時』
玉岡かおる『天涯の船』
蓮見圭一『かなしぃ。』
蜂谷涼『雪えくぼ』
百田尚樹「永遠の0』
藤沢周平『霧の果て 神谷玄次郎捕物控』
藤田宣永『モダン東京3 悲しき偶然』
万城目学『鹿男あをによし』
宮部みゆき『孤宿の人』
山本一力『かんじき飛脚』
梁石日『終りなき始まり』
和田竜『忍びの国』

トム・クランシー『容赦なく』
トム・クランシー『合衆国崩壊』
トム・クランシー『レインボー・シックス』
トム・クランシー『大戦勃発』
ジョン・グリシャム『パートナー』
ジョン・グリシャム『依頼人』
ジョン・グリシャム『ペインテッドハウス』
ウィリアム・K・クルーガー『二度死んだ少女』
パトリシア・コーンウェル『警告』
ジェフリー・ディーヴァー『監禁』
ジェフリー・ディーヴァー『ウォッチメイカー』
ネルソン・デミル『王者のゲーム』
アダム・ファウアー『数学的にありえない』
フレデリック フォーサイス『神の拳』
ケン・フォレット『大聖堂――果てしなき世界』
ディック・フランシス『侵入』
ポール・リンゼイ『覇者』

「物語の力」を信じた人――解題にかえて 梯久美子


書評集は読むのが大変。
書評の1つ1つが、1冊の本を読むくらいのエネルギーがいる
「ひたすら面白い小説が読みたくて」は、42冊の文庫解説を収録。
児玉清が、本当に心から本を楽しんでいることが
いきいきと伝わってくる
が、42冊、一度にはとても消化しきれない
…ということで、ざっと拾い読みして一旦返却

「ひたすら面白い小説が読みたくて」の中に
読んでいない本が色々あるので、
まずはそれを読まなくちゃ


[児玉清]  [ひたすら面白い小説が読みたくて]  [文庫解説コレクション]  [こだまきよし

Mon2013.07.29


透き間シーズン 有川浩

透き間シーズン 有川浩
カドカワキャラクターズ ノベルアクト2
角川書店

2013.7.27

朝井リョウが読みたくて借りた「ノベルアクト2」。
巻頭特集の有川浩はスルー… ですが、小説は読んでみた。

田舎から上京して一人暮らし始めた大学生のいずみ。
初めての一人暮らしの戸惑いや不安が切ない。
大したことは起こらないけれど、いずみも知花も
大学生、enjoyしてね


[有川浩]  [透き間シーズン]  [カドカワキャラクターズ]  [ノベルアクト2

Sun2013.07.28


マドンナゆかりの断髪 朝井リョウ

マドンナゆかりの断髪 朝井リョウ
カドカワキャラクターズ ノベルアクト2
角川書店

2013.7.21

朝井リョウのツイートより

「マドンナゆかりの断髪」長い髪が特徴的だった学校のマドンナ・ゆかりが
ある日突然髪をショートに!彼氏と別れた?!オトナになった?!
真相を暴くために幼馴染トリオが校内を駆け回る!
つまりはバカバカしいコント小説です。舞台は星がやどるあの町。
http://www.kadokawa.co.jp/sp/201206-02/


朝井リョウの作品が載っているので、なんだかわからないけれど
リクエストした「ノベルアクト2」

「ノベルアクト2」の目次は、ざっとこんな。

巻頭特集「図書館戦争」&有川浩
透き間シーズン 有川浩
第六塔のバルブ 佐藤友哉
いいじゃないですか、趣味ぐらい自由でしょ。あんただって陰でどんな(略) 田辺青蛙
もののけっ! 海猫沢めろん
ストロベリィ☆ショート★ショウズ 伊瀬勝良
マドンナゆかりの断髪 朝井リョウ
怪盗探偵山猫 神永学
ヴァンパイア・フィリア 吉野匠
おふろ、かして 元長柾木
第2特集 就職前の答えなきカラオケ雑談 朝井リョウ 卒業と社会のあいだ
『ムー少年』真実のあとがき 滝本竜彦

「図書館戦争」は全部読んでいないので、
残念ながら、巻頭特集有川浩はスルー。

で。朝井リョウ。

袖をまくった学ランからまっすぐに伸びる腕が、
ほんのちょっとだけたくましく見えて、あたしは
なんとなく目をそらした。
 五月の夕空のオレンジは、セーラー服の紺も、
学ランの黒も、いつもよりやわらかく見せてくれる
から不思議だ。


なんていうところが朝井リョウ。

ちなみに、セーラー服、ってあるけれど、ふんだんに入っている
挿し絵はブレザー姿でした。


[朝井リョウ]  [マドンナゆかりの断髪]  [あさいりょう]  [カドカワキャラクターズ]  [ノベルアクト2

Sat2013.07.27


聖なる怠け者の冒険 森見登美彦

聖なる怠け者の冒険 森見登美彦
朝日新聞出版

2013.7.24

プロローグ 土曜日の男
第一章 ぽんぽこ仮面と週末探偵
第二章 休暇の王国
第三章 宵山重来
第四章 聖なる怠け者たち
エピローグ 日曜日の男
あとがき


森見登美彦好きだ。
京都の話はとくに
高校生の頃、森見登美彦の小説があったら
がんばって勉強して京大を目指… す…
という道もあったかも

新聞連載中、全国の朝日新聞購読者のみなさんは、
森見登美彦をどう思っていたのかしら…
と心配になるくらい、特にたいしたことは起きない。
土曜日の冒険活劇(?)と、ちょっぴり翌日曜日のその後のお話。
たった1日のお話なのに、怠け者の主人公、半日くらい
座布団の山に埋もれて眠ってます
なんちゅー…

裏寺町通を北に折れると、

六角通を西へ行って、烏丸通の向こう。北側ですよ

でた 東西南北
去年、神戸の友人を訪ねた帰り、京都に寄り道して、
従兄にランチをご馳走になったときのこと。
待ち合わせは、阪急烏丸駅。
烏丸駅のどこにでればいいですか?

「烏丸の交差点北東角地上あたりで」

北東角?
ビルの名前とか出口番号じゃなく、方位?
えーと京都って、下に行くほど数字が大きくなるんだっけ。
四条、五条…
北は烏丸御池の方?
で東が右手で北東は…
なんとか地上に出たところで

「では北東角から烏丸通北上願います」

北上って…
結局私が見当つけた道は間違っていましたが(なぜ
なんとか無事巡り会えました。
ちなみに従兄殿は単身赴任中、東京の人です。

通りの名を覚える歌なんてものもあるんですね。

あねさんろっかくたこにしき
姉三六角蛸錦
姉小路通、三条通、六角通、蛸薬師通、錦通。だから、三条通の一本南が六角通。

あぁ… 京都に行きたい


[森見登美彦]  [聖なる怠け者の冒険]  [もりみとみひこ

Wed2013.07.24


木皿食堂 木皿泉

木皿食堂 木皿泉
双葉社

2013.7.23

Ⅰ 実感のある、日常の手触りを  エッセイ
Ⅱ 「どーせ」とか言ったら、そこでおしまい  インタビュー
Ⅲ イヤなシーンは一切書かない!って戦った  対談
Ⅳ 作りものだって感じさせない話作り  解説・書評
Ⅴ 「木皿ワールド」とか言われていますが  シナリオ講座
Ⅵ 私が帰る家がある  シナリオ
あとがき


「すいか」(2003年)は、小林聡美だからみた。
「野ブタ。をプロデュース」(2005年)は、
もちろん亀梨和也、山下智久だから

でも脚本家のことなんて、「昨夜のカレー、明日のパン」まで
知らなかった

「セクシーボイスアンドロボ」は2007年。松山ケンイチ。
「Q10」は2010年。佐藤健、前田敦子主演。
これは見ていないので、インタビューとか対談は、
ちょっとついていけなくて残念。
木皿ファンには楽しいだろーなぁ


[木皿泉]  [木皿食堂]  [きざらいずみ]  [和泉務]  [妻鹿年季子]  [いずみつとむ]  [めがときこ

Mon2013.07.22


港町食堂 奥田英朗

港町食堂 奥田英朗
新潮文庫

2013.7.21

第一便 美人ママに叱られたい  高知・土佐清水篇
第二便 謎の生物VS.美人女医  五島列島篇
第三便 名もない小説家、ひとりたたずむ  宮城・牡鹿半島篇
第四便 N木賞などおかまいなし  韓国・釜山篇
第五便 食い意地のせいなのか?  日本海篇
第六便 極寒の孤島に閉じ込められて……  稚内・礼文島篇


「奥田さんに港町を探検してもらって紀行文を書いていただきたいんですよ。
それで、港には毎回船で入りたいんです」

と、雑誌「旅」の企画で始まった寄港エッセイ。

第1便は、川崎港から高知まで17時間の船旅
17時間

最近雑誌の書評でほめていたのですが、
単行本が出たのは2005年。
奥田英朗が直木賞を受賞したのは2004年(空中ブランコ)。
ということで、これは2004年のエッセイ。

グルメ紀行ではなく、風景描写もわりと駆け足。
ではなにが書いてあるかというと、
旅の途中のなんということもないことが、
ゆるゆると綴られている。

ほんとにゆるーい旅エッセイ。
奥田英朗、エッセイも面白い

「旅」ってどんな雑誌だろうと思って検索したら、
2012年3月号で廃刊になっていました


[奥田英朗]  [港町食堂]  [おくだひでお

Sun2013.07.21


文芸あねもね 彩瀬まる 豊島ミホ 蛭田亜紗子 三日月拓 南綾子 宮木あや子 山内マリコ 山本文緒 柚木麻子 吉川トリコ

文芸あねもね 彩瀬まる 豊島ミホ 蛭田亜紗子 三日月拓 南綾子 宮木あや子 山内マリコ 山本文緒 柚木麻子 吉川トリコ 
新潮文庫

2013.7.19

アメリカ人とリセエンヌ  山内マリコ
二十三センチの祝福    彩瀬まる
水流と砂金        宮木あや子
川田伸子の少し特異なやりくち  蛭田亜紗子
真智の火のゆくえ     豊島ミホ
私にふさわしいホテル   柚木麻子
ばばあのば        南綾子
ボート          三日月拓
子供おばさん       山本文緒
少女病 近親者・ユキ   吉川トリコ
あとがき
参加者プロフィール
文芸あねもね★できるまで物語


彩瀬まるが読みたくて借りてきたけれど、
1つ目の「アメリカ人とリセエンヌ」…
あれ?これ、読んだことある…
ということは、この本、既読?
なんで借りたんだろー…
豊島ミホが読みたくて借りたのかな…

でも、次の「二十三センチの祝福」も「水流と砂金」も
デジャヴなし。
ちょっと腑に落ちないまま、全部楽しく読み終わる。
やっぱりこの本初めてだ

四十代の独身女性が結婚できる確率は、テロリストに狙撃されるそれより低い
「ばばあのば」南綾子

ひゃぁ


「アメリカ人とリセエンヌ」、山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」に
収録されていました。
「ここは退屈迎えに来て」、借りました借りました
謎が解けてよかった


[文芸あねもね]  [彩瀬まる]  [豊島ミホ]  [蛭田亜紗子]  [三日月拓]  [南綾子]  [宮木あや子]  [山内マリコ]  [山本文緒]  [柚木麻子

Sat2013.07.20


彼の女たち 江國香織 井上荒野 角田光代 嶽本野ばら 唯野未歩子

彼の女たち 江國香織 井上荒野 角田光代 嶽本野ばら 唯野未歩子
講談社文庫

2013.7.16

プリンセス・プリンセス  嶽本野ばら
楽園     角田光代
17歳     唯野未歩子
All about you  井上荒野
テンペスト  江國香織
巻末座談会  嶽本野ばら×角田光代×唯野未歩子×井上荒野×江國香織

登場人物
縄田正平   …パンクバンド「ガーゼ・スキン・ノイローゼ」のボーカリストJ。
原田日利美   …まりん。18年前は高校生の風俗嬢(ピンサロ嬢?)。
千谷伊香(せんたにいか) …18年前は25歳、編集プロダクション勤務。
増田緑   …18年前17歳。
大山真紀代   …18年前17歳。
田端宣子   …ノンコ。18年前17歳。
林正子(まさこ)   …18年前は大手芸能プロダクション勤務。
林菊子   …正子の娘。正子の事務所に所属。KIKU。
百田いずみ


5人の作家、世代はどうなの、と生年月日を検索。
嶽本野ばら(1968年/昭和43年)
角田光代 (1967年/昭和42年)
唯野未歩子(1973年/昭和48年)
井上荒野 (1961年/昭和36年)
江國香織 (1964年/昭和39年)


◇プリンセス・プリンセス 嶽本野ばら

嶽本野ばら、好きだ
義務教育じゃないから、高校以降学費は出さない、
という親のせいで、がんばって国立の付属高校に入ったのに、
バイト漬けの普通だけれど普通じゃない女子高生。
アヤシイ男にスカウトされて、高円寺で風俗嬢に。
って、こんな展開?

洋服のブランド名を並べただけで立ち上ってくる80年代。

MILK、ATSUKI ONISHI、BETTY'S BLUE、NICOLE CLUB、JUST BIGI…。

お洋服ならDEPT STORE、ステーショナリーは文化屋雑貨店、靴は大中といった感じで、

COMME des GARÇONS や Yohji Yamamoto

基本はHYSTERIC GLAMOUR。

大中のぺたんこ靴
文化屋雑貨店のポーチとか、もう手元に何も残っていないけれど、
ファッションも雑貨も、くっきり脳裏に甦る

嶽本野ばらの物語を受けて、Jに関わった女達の物語が綴られる。
角田光代も唯野未歩子も井上荒野も江國香織もさすが
予想以上に充実した1冊。
面白かったー


[彼の女たち]  [江國香織]  [井上荒野]  [角田光代]  [嶽本野ばら]  [唯野未歩子

Fri2013.07.19


高橋たか子 逝去

高橋たか子 逝去
享年81歳

2013.7.18


ネットのニュースに、作家の高橋たか子(和子)さんが
12日に亡くなったとありました。

高校の先輩にたかはしたかこさんがいて、
図書館で「字が違うけど同じ名前だー」と、
手に取ったのが「骨の城」。

多分、「骨の城」…
その後、2、3冊借りたような…
先輩は、にぎやかでパワフルなヒトでしたが、
高橋たかこさんの本は、しんとしていたような…
(高校生のときに読んだので、もちろん記憶は…)
また何か借りてきてみよう。

ご冥福をお祈りします。


[高橋たか子]  [逝去]  [たかはしたかこ

Tue2013.07.16


失踪日記 吾妻ひでお

失踪日記 吾妻ひでお
イースト・プレス

2013.7.14

夜を歩く 夜の1~8
街を歩く 街の1~14
アル中病棟 アル中時代1~3 病棟1~5
巻末対談 吾妻ひでお×とり・みき


これも闘病記に入れました。

あの吾妻ひでおが、アル中でホームレス?!
と、ずっと気になっていた本。(初版2005年)
「実録!あるこーる白書」を読んで、やっぱり読みたくなり、
図書館検索したら、ありました。マンガだけど^^

本当に辛いところは描かなかったと言っていますが、
最初から、失踪してすぐに自殺し損なったとか、
雑木林の中の野宿で食べ物もなく、雨に打たれ、
凍死寸前とか…
壮絶…
アル中時代1~3、アルコール依存症の怖さが、
変わらずかわいい絵でつづられている。
コワイ…
絵がかわいいから、つい、ほのぼのしそうになるけれど
吾妻センセ、死ななくてなにより
帰ってきてくれてよかった


[吾妻ひでお]  [失踪日記]  [あずまひでお

Mon2013.07.15


あのころの、 窪美澄 瀧羽麻子 吉野万理子 加藤千恵 彩瀬まる 柚木麻子

あのころの、 窪美澄 瀧羽麻子 吉野万理子 加藤千恵 彩瀬まる 柚木麻子
実業之日本社文庫

2013.7.13

リーメンビューゲル   窪美澄
ぱりぱり        瀧羽麻子
約束は今も届かなくて  吉野万理子
耳の中の水       加藤千恵
傘下の花        彩瀬まる
終わりを待つ季節    柚木麻子


彩瀬まるが読みたくて借りた。

なんだかどれもあっさり読み終わる。
舞台がみんな女子高(私立のお嬢様学校)なわけではないのに、
何故かみんな同じような印象。
女子高生のお話だったのか。
裏表紙を確認する。

旬の女性作家6人が競演
女子高生をめぐる6つの情景
夢、あこがれ、自信。悲しみ、怒り、
とまどい。不安、嫉妬、そして別れ。
熱い注目を集める気鋭女性作家6人が、
あのころ――女子高生時代――ならで
はのセンシティブな心模様、取り巻く
情景を鮮烈に紡ぎ出す。いまを全力で
駆け抜ける現役女子高校生と、かつて
女子高生だったすべての大人の女性た
ちに贈る、珠玉の青春アンソロジー。
いきなり文庫で登場!


青春小説、好きなんだけどなぁ…
なにか物足りない…

柚木麻子の「終わりを待つ季節」が印象に残る。

いつか忘れてしまうことがとても怖くて、一つ一つを
刻みつけようといつもどこかで気を張り詰めていた。
あらゆる偶然が霜柱のように薄く薄く積み重なって、
パリパリと小気味よく弾けた初冬の家庭科室。



[あのころの、]  [窪美澄]  [瀧羽麻子]  [吉野万理子]  [加藤千恵]  [彩瀬まる]  [柚木麻子

Sun2013.07.14


狭小邸宅 新庄耕

狭小邸宅 新庄耕
集英社

2013.7.13

松尾は明王大(慶応のもじりか)卒、不動産会社の新人営業マン。
都心部なので、扱う物件は、狭小住宅=ペンシルハウス。
入社以来、1軒も売れず、恵比寿にある本社から、駒沢の支店に飛ばされる。
配属された2課の課長は、今までの上司と全く違うストイックな印象。
配属早々、売れないものは売れないから辞めてくれと言われてしまう。
が。最後に賭けた1軒の家が売れ…


この課長の言葉が耳に痛い。

「自意識が強く、観念的で、理想や言い訳ばかり並べ立てる。
それでいて肝心の目の前にある現実をなめる。一見それらしい
顔をしておいて、腹の中では拝金主義だ何だといって不動産屋を
見下している。家ひとつまともに売れないくせに、不動産屋のことを
わかったような気になってそれらしい顔をする。客の顔色を窺い、
媚びへつらって客に安い優しさを見せることが仕事だと思ってる」


「…(略)…自分には大きな可能性が残されていて、いつか自分は
何者かになるとどこかで思ってる。俺はお前のことが嫌いでも憎い
わけでもない、事実を事実として言う。お前は特別でも何でもない、
何かを成し遂げることはないし、何者にもならない」


松尾がやみくもに営業した蒲田の物件が売れるところも面白いが、
売れる営業になった松尾が、購入見込みの夫婦に物件を案内して回り、
成約にいたるまでの過程も面白い。

作者の実体験かとも思ったが、ご本人はリクルート出身で、
不動産の営業経験はなし。
勝手に松尾のような人を想像していたが、写真を見ると、
むしろ豊川課長のような感じなのか。

売れる営業にはなったけれど、壊れてしまいそうな松尾。
仕事が人生のすべてじゃないんだけどな…
でも、松尾には営業の仕事をやめてほしくない気もする。
壊れない程度にやっていくことは、難しいのかな…



[新庄耕]  [狭小邸宅]  [しんじょうこう

Sat2013.07.13


実録!あるこーる白書 吾妻ひでお 西原理恵子 協力:月乃光司

実録!あるこーる白書 西原理恵子 吾妻ひでお 協力:月乃光司
徳間書店

2013.7.9

はじめに
第一章:依存前日譚  あなたにとってお酒とは
第二章:依存症体験録  やめられない とまらない
第三章:依存症風雲記  なんと体は正直な!
第四章:依存体質見聞  優しいだけでは破滅する
第五章:病棟事情拾遺  認める決意がありますか
第六章:集団的治療圏  酔えない日々の過ごしかた
第七章:恒久依存対処法  すべらない話をしよう
第八章:依存談議結論  明日のために啓蒙を!
あとがき=西原理恵子/吾妻ひでお
解説:月乃光司


吾妻ひでお、西原理恵子、月乃光司の鼎談集。
闘病記… ではないけれど、闘病記に入れました。

生きているから悲しいんだ――という言葉は、お釈迦様が
書いたものでも、ジーザス・クライストがのたもうたものでもなく、
マンガ界の最長老やなせ"アンパンマン"たかし先生のフレーズです。


… ほんとだ 「手のひらを太陽に」やなせたかし作詞

吾妻ひでおのアルコール依存症の体験談も壮絶だけれど、
西原理恵子も壮絶。
「鴨ちゃん」って、西原理恵子の漫画の中では、
暴れてるけれどほのぼのしてるイメージがあって。
でも、本当のところは全然書いていなかったんだ…
西原理恵子、すごいなぁとは思っていたけれど、
本当にすごい人だ。

高須クリニックの院長「克っちゃん」のイメージも変えてくれます。

「鴨ちゃんもう死ぬから『治ったら帰ってきていいよ』って言ってあげなさい」
「誰にも見捨てられて、野良犬みたいになって死んでしまうと思っているのと、
治ったら帰るところがあると思って死ぬのでは、まるで違うんだよ」
「患者にはね、希望しか与えちゃいけないの。絶望の中で殺しちゃいけないから」


そして西原理恵子、やっぱりうまい。

女の人の感情ってポイントカードなんですよ。
急に怒り出すって言うけど、日常の細かいことをずっと
カードに判子で押してるんですよ。
で、さっきのその一言が五〇ポイント目だったんですよ。
キャッシュバックキャンペーンがはじまるんですよ。


引用した部分が、ほとんどアルコール依存症に関係ない気がしますが
アルコール依存症について、正しい知識が身に付きます。
自分には関係ない、なんて思う人も、ぜひ読んでみてください

花粉症のように、自分のコップ(許容量)からあふれたら
アルコール依存症に
って、ヒトゴトではないのです


[吾妻ひでお]  [西原理恵子]  [実録!あるこーる白書]  [あずまひでお]  [さいばらりえこ]  [月乃光司

Mon2013.07.08


シノダ課長のごはん絵日記 篠田直樹

シノダ課長のごはん絵日記 篠田直樹
ポプラ社

2013.7.4


第一章 20代 何でも食べよう、記録しよう。ここに「食記」はじまる。
第二章 30代 気に入った店はとことん通う。食べるストーカー。
第三章 40代 デカ盛り、メガ盛り、バイキング。まだまだ食えるね。
第四章 50代 そしてきょうも、記録は粛々と続けられる。

シノダ課長のごはんコラム


母が借りてきた「シノダ課長のごはん絵日記」。

岐阜県在住、旅行会社勤務のシノダ課長が
1990年8月から、全ての食事をノートに記録。
現在45冊目に突入。
50歳の記念にNHKの「サラメシ」に投稿したところ、
「サラメシ」に出演
それが縁で本も出すことに。
(残念ながら、シノダ課長が出た「サラメシ」、見ていない)

食事中は、写真も記録も取ることなく、帰宅してから
記憶のみで書き上げる…
すごい 記憶だけで描いたとは思えない

でもー…
数ページでおなかいっぱい
もともと、個人の記録からの抜粋なので、
当然、ヒトに読まれることを意識して書いているワケではなく、
文句をつけるのは筋違いでしょうが。
文字が添えられていたら、読みたくなる。
読みたいのに、字もレイアウトも読み辛い
コメントも面白そうだから、読みたいのに、
読むのがエライ大変なので、早々に絵を眺めるだけに。
本にするなら、その辺をきちんとフォローして欲しいなー。
もちろん、添えられた字も含めて、この本の迫力なんだけれど。

途中途中に、シノダ課長のごはんコラムとやらが
挟まっているけれど、そしてこちらは活字だけれど、
読む気が起きなかった

一気に読もうとするのではなく、気が向いたときに
パラパラするのがいいみたい。
愛知、岐阜にお住まいで、「あーこの店知ってる」
というヒトは楽しいだろーなぁ
イノーヴェ(Innover)行ってみたい


[篠田直樹]  [シノダ課長のごはん絵日記]  [サラメシ

Sun2013.07.07


ナイト・ストーム サラ・パレツキー 山本やよい訳

ナイト・ストーム サラ・パレツキー 山本やよい訳
早川書房

BREAKDOWN
Sara Paretsky

2013.7.2

謝辞
1 墓場で深夜勤務
~ (目次だけで終わってしまうので省略^^;)
53 ヴァンパイアはなかなか死なない
訳者あとがき


V・I・ウォーショースキーも50歳
わたしは自分が十五じゃなくて五十だってことを一瞬忘れてしまった、
サウス・サイドのストリートファイターにすぎません

とか、
ランチハウスは築五十年ぐらいで、修繕が必要だった。
なんとなく親近感を覚えた。わたしも五十歳ぐらい、
情報をひきだすテクニックには明らかに修繕が必要だ。

なんて言っているので、50歳目前というところか。
ちゃんと歳を取っていて、一安心。

でも、今回はいつにもまして、ヴィク一人で八面六臂の活躍。
わたしがジャーゲンズを見つけ、わたしがアリエル・ジッターの
命を救い、レイドン・アシュフォードがロックフェラー・チャペルの
バルコニーから突き落とされたときには、わたしが彼女を病院へ
運んだのよ。こっちは女一人で仕事をしてて、あなたのほうには
一万三千人の警官がいるというのに、わたしが何もかもやったのよ。

という前に、嵐の真夜中に閉鎖された墓地で少女達を保護し、
そこで胸に鉄の棒を突き立てたマイルズ・ヴフニクの死体を
発見したのもヴィク。

登場人物もたくさん。
たくさんすぎて、常連さん以外の登場人物に馴染むのに
ちょっと手間取る。
けれど面白いので、ページが進む。
アメリカの政治、人種問題、移民問題、性差別、貧富の差、
ユダヤ人の迫害… など深刻な問題も盛り沢山。
政治と宗教とメディアの関係が、結構エグイ。
ハッピーエンドで良かった


[サラ・パレツキー]  [ナイト・ストーム]  [山本やよい]  [Sara]  [Paretsky

Sat2013.07.06


無理 奥田英朗

無理 奥田英朗
文春文庫

2013.7.4

地方都市、3町が合併して生まれたゆめの市。
県庁からゆめの市に出向中の相原友則、32歳バツイチ。
東京の大学に行きたい高校2年の久保史恵。
漏電遮断器の訪問販売員加藤裕也、23歳バツイチ。
新興宗教に救いを求めた堀部妙子、48歳バツイチ。
父の地盤を継いだ市会議員山本順一、45歳。


奥田英朗は、やっぱり読むたび印象が違う。
精神科医の伊良部シリーズ、の、奥田英朗
と、指さし確認

読んで早々に、デジャヴ…
再読でした
無論、ウロ覚えなのでもう一度読む

生活保護費の不正受給、スーパーの万引き犯、
勢力を拡大する新興宗教、悪質訪問販売など、
それぞれドキュメンタリーを見ているかのよう。

地方都市の閉塞感、さまざまな社会問題が
一冊に詰め込まれているのに、どこか"軽さ"が
あるのは、やっぱり「イン・ザ・プール」の
奥田英朗だからかな…

上巻裏表紙のあらすじに、
縁もゆかりもなかった5人の人生が、ひょんなことから交錯し、
と、あるけれど、5人の人生は交錯しなーい。
交差点で玉突き事故に巻き込まれるのを
「人生が交錯する」とは言わないでしょ…


[奥田英朗]  [無理]  [おくだひでお

Mon2013.07.01


紙の空から 柴田元幸編訳

紙の空から 柴田元幸編訳
晶文社

2013.6.30

プレシアの飛行機  ガイ・ダヴェンポート
道順        ジュディ・バトニッツ
すすり泣く子供   ジェーン・ガーダム
空飛ぶ絨毯     スティーヴン・ミルハウザー
がっかりする人は多い  V.S.プリチェット
恐ろしい楽園    チャールズ・シミック
ヨナ        ロジャー・パルバース
パラツキー・マン  スチュアート・ダイベック
ツリーハウス+「僕の友だちビル」
 バリー・ユアグロー
夜走る人々     マグナス・ミルズ
アメリカン・ドリームズ  ピーター・ケアリー
グランドホテル夜の旅+グランドホテル・ペニーアーケード
  ロバート・クーヴァー
夢博物館      ハワード・ネメロフ
日の暮れた村    カズオ・イシグロ


◇日の暮れた村  カズオ・イシグロ
A Village After Dark

かつてはイングランドを何週間も続けて旅しても、
頭がこの上なく冴えたままでいられたものだった。
むしろ、旅することでいっそう鋭さが増したくらいである。
だが、もうそこまで若くないいま、私は前よりも簡単に
混乱してしまう。かくして、日の暮れた直後に村に着いた
ときも、私には西も東もわからなかった。ここが、それほど
遠くない昔に自分が暮らし、大きな勢力をふるようになった
村だとはとうてい信じられなかった。


かつて成功し、やがて過去の人になり、すっかり落ちぶれて、
良い時代の思い出の村に戻ってきた男。
記憶と現実が混沌として、一人バスを待つ男を包みこむ
夜の静けさが心に残る。


カズオ・イシグロが読みたくて借りたアンソロジー。
他の作品も気になるけれど、1作目で挫折
こういうのは、余裕がないと読めないのかも…

またいつか借りてこないと


[紙の空から]  [柴田元幸編訳]  [カズオ・イシグロ]  [