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Sat2013.03.30


キャパの十字架 沢木耕太郎

キャパの十字架 沢木耕太郎
文藝春秋

2013.3.29

第一章 崩れ落ちる兵士
第二章 真贋
第三章 彼の名前
第四章 小麦とオリーブ
第五章 その丘で起こったこと
第六章 突撃する兵士
第七章 ゲルダ
第八章 影は語る
第九章 ラスト・ピース
第十章 キャパへの道
あとがき


ロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」。
スペイン内戦で、共和国軍兵士が敵の銃弾に倒れる瞬間を
撮った有名な写真。
戦場カメラマンなら、誰もが夢見る、死の瞬間を切り取った写真。

この有名な写真の真贋論争に、沢木耕太郎自身が調査、
検証を積み重ねていく。
スペインにまで撮影場所を確かめに行ったり、
当時の写真が掲載された雑誌を探して、
パリやニューヨークの古本屋を巡ったり。
集められるだけの当時の写真を詳細に見比べたり。
沢木耕太郎の根気に脱帽。

重厚な造りの本だけれど、するする読み進められる。
紙が立派だから、厚みがあるのかな。

惜しむらくは、白黒写真なので、沢木耕太郎の指摘するポイントが、
ときどきよくわからない
特に山の稜線とか、雲とか、肝心のポイントがよく見えないのは、
私だけ?
贅沢ついでに、もうちょっと図説を増やしてくれたらいいのに

NHKスペシャル、見そびれたのがほんとに残念


[沢木耕太郎]  [キャパの十字架]  [さわきこうたろう]  [ロバート・キャパ]  [戦場カメラマン

Fri2013.03.29


ことり 小川洋子

ことり 小川洋子
朝日新聞出版

2013.3.28


小鳥の小父さんが、死後数日たってから発見されたとき、
ゆっくり休んでいるかのような、安らかな様子の遺体は、
腕に竹製の鳥籠を抱いていた。
中にいた小鳥は、弱った様子もなく、美しい鳴き声を響かせたあと、
警官がうっかり開けてしまった籠の口から、空に去ってしまった。

小父さんには、7歳年上の兄がいた。
兄は、11歳の頃から、自分で編み出した言葉でしゃべり始め、
それは、周りの人に全く理解できない言葉だったが、
不思議と小父さんには、理解できた。
兄は、小鳥の言葉がわかり、小鳥のように美しい声で
歌うことができた。

孤児院と鳥小屋、小さな雑貨店、お兄さんの静かでゆるぎない生活…
ひっそりとして、ちょっと現実とは別の世界のような、
小川洋子の世界…

後半、ちょっと不穏な展開になっていくのも相まって、
文鳥の目の周りの輪っかの描写が、ちょっと気持ち悪い…
そーだ、小川洋子には、ときどきこうした生理的に受け入れがたい
描写があるんだった…

純粋に小鳥への愛情から、幼稚園の鳥小屋の掃除を引き受けていた
小父さんが、幼女にいたずらした犯人では、と噂されたり、
保護したメジロの幼鳥が、美しい声でさえずるようになったがために、
メジロを、歌声を競うための道具として扱う男達の鳴き合せ会に
巻き込まれたり。
なんだか後半は、どんどんいやーな感じの展開になっていく。

小父さんのそばに、メジロがいたのがせめてもの救い…


[小川洋子]  [ことり]  [おがわようこ

Sat2013.03.23


40歳からの「迷わない」生き方 浅野裕子

40歳からの「迷わない」生き方 浅野裕子
三笠書房

2013.3.21

はじめに
   -- 一生輝きつづける女に生まれ変わるために
第1章 40代は大切な女の転換期
   -- 人生、ここからもっと面白くなる!
第2章 逃げない、比べない、しがみつかない
   -- 自分に「ぶれない軸」を持つ生き方
第3章 40代からの「愛」について
   -- 絶対後悔しないために、考えておくべきこと
第4章 変化していく「自分」を楽しむ
   -- 歳を重ねるごとに美しくなる「新習慣」
第5章 40代、明日を変える鍵はここにある!


[浅野裕子]  [40歳からの「迷わない」生き方]  [あさのひろこ

Thu2013.03.21


砂漠 伊坂幸太郎

砂漠 伊坂幸太郎
実業之日本社

2013.3.20








「砂漠」好きだー。
なぜかタイトルを「グラスホッパー」だと思い込んでいて、
「砂漠」のつもりで「グラスホッパー」を借りてしまった
こともあるけれど。
「マリアビートル」を読んでから、「グラスホッパー」も
好きになったから、もう間違えない。

でも…何度も読んでいるハズなのに、覚えていないものですね。

「伊坂幸太郎の小説は、あっさり人が死ぬから怖くて…」
と言うともだちがいましたが。
(「アヒルと鴨のコインロッカー」の感想だったか)
「砂漠」もたわいない青春小説かと油断していると、
あっさり片腕を失くしてしまう
(私の記憶では、片足になっていた

春夏秋冬が1年の出来事ではなく、
1年目の春、2年目の夏、3年目の秋、4年目の冬…
ということは、覚えていたけれど、
読んでいてやっぱり1年以上経っていることに
気がつかない

北村、鳥井、西嶋の男子3人と
南、東堂の女子2人。
と、北村の彼女鳩麦さん。
あぁ…大学生になる前に、「砂漠」に出会いたかったなー。

卒業の春、最後の僕(北村)の述懐。
 鳥井たちとは最初のうちこそ、定期的に連絡を取るけれど、
だんだんと自分たちの抱える仕事や生活に手一杯で、
次第に音信不通になるだろう。
 …(中略)… そして、さらに数年もすれば、鳥井や西嶋たちと
過ごした学生時代を、「懐かしいなあ」「そんなこともあったなあ」
と昔に観た映画と同じ程度の感覚で思い返すくらいになり、
結局、僕たちはばらばらになる。
 なんてことはまるでない、はずだ。


切ない…


[伊坂幸太郎]  [砂漠]  [いさかこうたろう

Wed2013.03.20


鋏の記憶 今邑彩

鋏の記憶 今邑彩
角川ホラー文庫

2013.3.19

三時十分の死
鋏の記憶
弁当箱は知っている
猫の恩返し
あとがき


とりあえず、図書館にあった今邑彩を借りてくる。
警視庁捜査一課の刑事、桐生進介と
サイコメトリーの能力を持つ女子高生、桐生紫(ゆかり)を
主人公とした連作短編。
サイコメトラーで「ホラー文庫」?


◇三時十分の死
ロンドンに出かけたはずの資産家が、
就寝中にゴルフクラブで撲殺された。
壊れた時計が指しているのは3時10分。

…ちょうど、「満潮に乗って」で、
犯行現場に落ちていた壊れた時計が、
犯行時刻を語っているように思える
と答えたグレイブス部長刑事を、スペンス警視が
「おれぐらいながく警察家業をやれば、きみも、
叩きつぶされた時計なんて便利しごくな代物に
たぶらかされるほどのんき坊主でもいられまい。
…みなさまとっくにご承知のかびの出そうに
古いトリックさ」

と諭していたけれど。
この時計の指す3時10分の意味は、予想外
ロンドンとの時差の調整、なんて思いつかない
犯人が二転三転するのも、なかなか。


◇鋏の記憶
錆びついた鋏に触れた瞬間、刺されて苦しむ幼児の姿が浮かんだ。
実際、30年ほど前、3歳2か月の男の子が失踪していて…

ショーゲキ的な事件が、さらっと書かれているのは
短編だから仕方ないのか…
でも、この話、どー考えてもハッピーエンドにはならないと思われる


◇弁当箱は知っている
リストラで失職中の男性が、自宅で惨殺された。
7年前に結婚した15歳下の美人妻につきまとっていた
男の仕業か?!

万年係長(?!)米倉さんが
哀れ…


◇猫の恩返し
男手ひとつで育てた息子をバイクの事故で失って、
すべてに気力もなくしていた元獣医の小寺。
半年前に、ボウガンが刺さった美しいネコを助けたが、
そのネコも、ある日いなくなってしまって3か月。
玄関先に美しい女性が倒れていて、介抱すると、
息子の小学校時代の同級生だと言い…

一体どういう話なのか、全然先が読めなかった。
一種のファンタジー?
息子が初恋の人だった、という「雪子」と
小寺のこれからは、きっと静かで美しいのだろうな…
途中から勝手に松苗あけみの絵で読んでました。
小寺と雪子のバックには、バラてんこ盛り


「角川ホラー文庫」?
ホラーじゃないよーな。超能力モノって、ホラーなのか?
どれも面白く、もうちょっと桐生と紫を
シリーズで読んでみたかったな…


[今邑彩]  [鋏の記憶]  [いまむらあや

Tue2013.03.19


満潮に乗って アガサ・クリスティー 恩地三保子訳

満潮に乗って アガサ・クリスティー 恩地三保子訳
早川書房

Taken at the Flood
Agatha Christie

2013.3.18


アガサ・クリスティーの作品で、
オチを覚えているもの…
「アクロイド殺し」と
「オリエント急行の殺人」?
それも、大人になって読み返して覚えた感がなきにしもあらず
「そして誰もいなくなった」は、10人のインディアンの
くだりは覚えているけれど、具体的なストーリーも犯人も
さっぱり

何年か前、図書館の文庫のコーナーに
アガサ・クリスティーの新しい本がたくさん並んでいるのを見て
(2003年からクリスティー文庫(全102巻)刊行開始)
片っ端から借りていたことがあったが。
(近所の図書館に入ったのは、20冊ほどか)

先日、何か読む本はないかと、図書館の中を彷徨っていて
久しぶりに文庫の翻訳モノのコーナーへ。
アガサ・クリスティーの新しい本が何冊かあるのを発見。
タイトル…記憶にない
あらすじ…記憶にないが、あてにならない
日付…2010年12月 三刷
と、いうことは、少なくともこの数年は読んでいない本。

大富豪ゴードン・クロードがロンドン空爆で爆死。
莫大な遺産は、結婚したばかりの年若い未亡人に。
ゴードンの庇護に甘えていたクロード一族は、
未亡人とその兄に、不当に遺産を奪われたと不満を募らせ…

読んでいるうちに、なんとなくデジャヴュ。
あぁ…きっとこの本読んだことある…
ここ数年では読んでいないにしても、
クリスティーは、いっとき色々読んだからね、
と自分を慰める

やっぱりメモっとくのは大事大事
ポアロがあっさりしているのだけれど、
ローリーの罪って、見過ごしていいほど軽いのか


[アガサ・クリスティー]  [満潮に乗って]  [恩地三保子訳]  [Agatha]  [Christie]  [Taken]  [at]  [the]  [Flood

Sun2013.03.17


今邑彩 逝去 

今邑彩 逝去
享年57歳

2013.3.16

『2月上旬に病気で死去したと推定される』


3月6日に、ご自宅で亡くなっているのが発見された…
1か月も、一人で…

今邑彩、まだ、「鬼」「ルームメイト」…くらいしか
(たぶん)読んでない…
何がきっかけで、今邑彩を読んだのだか…
アンソロジー?
近所の書店に「今邑彩」コーナーができていて、
気になったから?
そー、文庫の表紙が同じ人(北見隆)で
気になったんだ。

57歳… まだ若い。

ご冥福をお祈りします。


[今邑彩]  [逝去]  [いまむらあや

Sat2013.03.16


我が家の問題 奥田英朗

我が家の問題 奥田英朗
集英社

2013.3.14

甘い生活?
ハズバンド
絵里のエイプリル
夫とUFO
里帰り
妻とマラソン


「家日和」とよく似た装丁の短編集。
「家日和」は読んだことは覚えているが、
中身は既にさっぱり
「我が家の問題」はきっと…未読。

奥田英朗は、読む本によって印象が全然違う。
(…ような気がする)

どこかエキセントリックな、もしくはブラックな
オチがあるのかと思いきや。
あっさりほのぼの系。
いや、語られているのは、結構深刻な問題だったりするのですが。


◇甘い生活?
 新婚なのに、家に帰りたくなくなった。

一人暮らしが長くて「独身病」の夫と
「思い出作り」が好きで、夫に甲斐甲斐しく尽くす妻。


◇ハズバンド
 どうやら夫は仕事ができないらしい。

初めて会社のソフトボール大会に参加して、
そんなことを感じた妻。
つらつらと夫のことを考えてみれば、
ハンサムで良い夫だけれど、「段取り音痴」…


◇絵里のエイプリル
 どうやらうちの両親は離婚したがっているらしい。

両親が離婚するかもしれないと知った高校1年生の姉。
中1の弟が、別のきっかけで気づいていて、
弟は弟で考えていたことを知り…


◇夫とUFO
 夫がUFOを見たと言い出した。

残業帰りに、家の近くの河原で、UFOと交信する夫…
は、実は、職場の派閥争いのとばっちりで、
仕事でかなり追い詰められていた。
それを知った妻の行動が、潔い。素敵な夫婦。


◇里帰り
 結婚して初めてのお盆休み、それぞれの実家に帰省することになった。
 夫の実家は札幌。妻の実家は名古屋。

どんな「問題」が繰り広げられるのかと思いきや、ほのぼの幸せな展開。


◇妻とマラソン
 妻がマラソンにはまった。

N木賞も取ったベストセラー作家となった夫を持つ妻は…
奥田家の実話?
でも、頭の中に浮かんだのは、東野圭吾の顔でした
奥田英朗の顔、知らない…

ので、早速ググりました。
が。 知らなくても良かったかな…

奥田英朗、好きです


[奥田英朗]  [我が家の問題]  [おくだひでお

Fri2013.03.15


「強運な女」になる57の方法 浅野裕子

「強運な女」になる57の方法 浅野裕子
三笠書房

2013.3.13

prologue
1章 今日、自分に宣言する!「「強運な女になる」と
   -- その瞬間に、何かが変わる!
2章 迷わない女が、チャンスをつかむ!
   -- 運のいい女性は「切り換え」がうまい!
3章 運の流れを変える、私の方法
   -- 自分を「ポジティブパワー」で満たすコツ
4章 「うまくいかないこと」もラクラク乗り越える!
   -- マイナスをプラスに転じる思考法
5章 女の運は「見た目」も大事!
   --「オーラ」が輝くファッションとは
6章 今すぐ 始めよう!強運を育てる「生活習慣」
   -- 一週間もあれば、効果を実感!
7章 一生を決める「本物の運」を手に入れる方法
   -- この「姿勢」の違いが、人生の違いを生む!
epilogue 運命は、あなた自身で動かすもの


「捨てる生き方」が読みやすかったので、
もうちょっと読んでみようかと。

読んでいて、
ところで、この人いくつ?
と、プロフィールをチェックするも、
生年なし。
でも、文中に
『今から三十五年以上も前、私が二十歳頃のこと』
『私は今、五十代半ばを過ぎているのですが』
と出てきた。
本が出たのは2009年4月。
秘密じゃないなら、プロフィールに書いてくれれば
わかりやすいのに

公式サイトもあるので、チェック。
わぁ、きれいなヒト
著者近影も載せればいいのに

スルスルと読みやすい。
エピローグで、
『あとは、実践あるのみです』
さて、何を…

1章の3『「見た目のチカラ」をあなどらない』で、
『女性にとって、やはり見た目は重要です。
 それは、外見には必ずその人の内面がにじみ出るからです』
とあるのが、予想外の展開で、一番印象に残る。


[浅野裕子]  [「強運な女」になる57の方法]  [あさのひろこ

Thu2013.03.14


運命の人と結婚する方法はシンデレラが教えてくれた 斎藤芳乃

運命の人と結婚する方法はシンデレラが教えてくれた 斎藤芳乃
マガジンハウス

2013.3.13

はじめに
第1章 自尊心を育てる
第2章 女性性に目覚める
第3章 王子様に出会う体質になる
第4章 幸せを引き寄せる
第5章 同性間の争いを克服する
第6章 見えない呪縛から逃れる
おわりに


恋愛で悩んでいた受付嬢が
「こんな本買っちゃいました
 読み終わったら貸しますね
と言って貸してくれた本。

1章、2章…くらいで挫けそうになる。
読んでる文章の意味がわからない。
わからないけど、読み返すのもちょっと…

シンデレラって、そんな話だったっけ?
と、引っかかるのと、
タイトルや文章と、例にあげられる話が、
なんだかつながっていないような…

難しい

そもそも、「はじめに」にチェックシートがあって
チェックした項目が、
『あなたがこれまで王子様に迎えに来てもらえなかった理由です』
とあるけれど、
「王子様に迎えに来てもらう」って
ものすごく「受け身」なんじゃないのかなぁ…

がんばって最後まで読んだけれど、
最後まで、何故にシンデレラ?という違和感が
ぬぐえなかった

スピリチュアルカウンセラー、斎藤芳乃。
スピリチュアルマリアージュスクール。

うーん…


[斎藤芳乃]  [運命の人と結婚する方法はシンデレラが教えてくれた]  [さいとうよしの]  [スピリチュアルカウンセラー

Wed2013.03.13


何者 朝井リョウ 第148回直木賞

何者 朝井リョウ 第148回直木賞
新潮社

2013.3.12


朝井リョウ、直木賞とったんだー
早~っ

まぁ、直木賞を取ろうが取るまいが、あまり関係ないか。
(ご本人と関係者には大問題でしょうが

好きな作家さんの本を読むときは、
祈るような気持ちに、ちょっとなる。
面白い本でありますように
というか、
好きな本でありますように
というか。

拓人@劇団プラネット
光太郎@OVERMUSIC
瑞月
サワ先輩
理香
隆良
ギンジ@毒とビスケット

拓人と光太郎と瑞月は、御山大学のクラスメイト。
拓人と光太郎がルームシェアするアパートに
たまたま瑞月の友人理香が隆良と住んでいて。

今のシューカツって、ほんと大変なんだろうな…
就活中の4人と、
就活しないと言いつつ就活している隆良。

焦燥感とか空回りとか屈折とか毒気とか
瑞月の光太郎(元カレ)に対する想いとか
拓人の瑞月に対する想いとか

青春小説~

就職が、バブルの余波があるときでよかった
なんていう軽い気持ちが、
結局、私だって何者にもなれていないじゃないか、
という現実を突き付けてくる。
光太郎、深い…

それでも、青春小説、と油断していたら、
最後に急展開。
怖い。

がんばれ拓人!
人生まだまだこれからだ!


[朝井リョウ]  [何者]  [あさいりょう]  [第148回直木賞

Tue2013.03.12


HERS(ハーズ) 4月号

HERS(ハーズ) 4月号
光文社


萬田久子が表紙の、萬田久子による萬田久子のための雑誌、
のようだった「HERS」の表紙が
賀来千香子になってる

HERSの萬田久子の世界、見ていて楽しくて
毎号パラパラ見ていたのに。
先月号は、何故か手が出なかった…
あぁ…萬田久子の最期(失礼)を
見ていない…
萬田久子は何処へ…


[HERS(ハーズ)]  [2013年4月号]  [光文社]  [萬田久子

Sun2013.03.10


空の拳 角田光代

空の拳 角田光代
日本経済新聞出版社

2013.3.7


スティーブン・キングですか?
という予想外の厚さ(485ページ)の角田光代の新刊。
何の本だっけ?

そらのこぶし?
からのこぶし?

最初に振り仮名があって、一安心。
そらのこぶし。

2000年。
留年してまで希望の出版社に入社した那波田空也(なわたくうや)。
文芸志望の空也が、入社3年目に異動になったのは、
存在すら知らなかったボクシング雑誌「ザ・拳」

鉄槌ボクシングジムに通い始めた空也。
気さくなトレーナーの有田。
注目のボクサー、タイガー立花。
同じ頃入会した坂本秀志路(21)は大学3年生。
(秀志路…なんて読むんだ 仮名振ろうよ仮名
坂本の友人の中神真(21)はプロボクサー。

ボクシングに全く興味のなかった空也が
生まれて初めて後楽園ホールに行き、ボクシングの試合を見、
ボクシングに魅せられる。

タイガー立花は、8月の東日本新人王準々決勝、準決勝、
11月の決勝と、勝ち進む。

11月23日から4日間熱海の合宿に、空也も参加。

12月、立花は、全日本新人王戦でも勝利。

2001年。
空也が、立花特集のページを担当。
天涯孤独で少年院に入ったこともある立花の
経歴も取り上げる。
「華麗なる復讐 憎しみがおれを強くする」

3月、坂本がデビュー戦で初勝利。

4月、8月の試合でも勝った立花から、
父母がいて、都内の大学まで卒業した
本当の経歴を打ち明けられる。

11月、立花は初の八回戦、対戦相手は日本3位の木谷哲平太。
反則すれすれに粘る木谷に敗れるも、立花人気は過熱していく。

2002年。
3月に、日本4位の葛西均と対戦し勝った立花。
ますます注目と人気を集める。

5月、立花の経歴詐称が雑誌に出る。
5月の対矢部戦も判定勝ちした立花だが、
経歴詐称疑惑がちらほら出始める。
6月には、経歴詐称があちこちで問題になり、
抗議の電話、手紙、ネットでの誹謗中傷。

9月の対藤倉匠戦は惨敗。

伝説のトレーナー、萬羽耕太郎の指導を仰ぐことにした立花。

2003年。
3月、日本2位の今村圭太を相手に、見事に勝った立花。

5月、空也は文芸編集部の異動の内示を受ける。
「ザ・拳」の休刊が決まり、
6月の坂本の試合は、一般席で観戦する空也。

多忙な日々にジムから足が遠のく空也。

そうしてジムから足が遠のいてみると、あれほど
夢中で見ていたボクシングの試合自体にも興味が薄れて
くる。それが空也には不思議だった。たぶんこの先
離れることはできないだろうと思うくらい熱中していたのに、…


えーっ
そりゃないよ、空也…
ボクシングに全く興味がなかった空也に引きずられて、
一緒にのめりこんでいたのに、いきなりハシゴを外される

7月28日、立花のタイトル戦に向かう途中、
急遽会社に呼び戻される空也。
なんとか7ラウンド途中に間に合って
8ラウンド、9ラウンドで、立花は藤倉にKO負け。
「でもいい試合だった」
試合後の飲み会に参加した空也は、
プロテストを受けると宣言する。
10月のプロテストで、見事KO負けの空也。
11月から多忙になり…ジムに行くヒマもなくなり…
空也君、半年ほど後に鉄槌ジムを退会…

編集者としての空也の快進撃は続き、
あぁ、そうか、ボクシングの話じゃなくて、
空也の話なのかーと、今さらながら気づく。

立花は、2004年7月、チャンピオンの藤倉に
再挑戦して、判定勝ち。
11月、防衛戦で初勝利。
2005年5月、東洋太平洋4位の選手に挑戦し、敗れる。

坂本はスーパー・フライ級5位に。

そして2006年2月14日。
待ち合わせに急ぐ空也が、ふと人だかりのしている
電気店の店先のTVに目をやると、立花の試合中継。
東洋太平洋1位の選手との対戦も8ラウンド。
最終ラウンド最期の最後に、相手をKOしたかに見えたが、
結果判定負け。

「今日は負けたから、まだ強くない」
強いから勝つんじゃない、勝つから強いんだ。


面白かった…のに、やっぱり最後が物足りない。
空也君、編集者として活躍し過ぎ。
鉄槌ジムのみなさんはどーした
有田の真意もよくわからなかったし。
萬羽のことも同様。
立花と同じくらい、もっと坂本くんも見てみたかった。
あぁ、「空の拳」が面白かったのは、
立花も坂本もハンサムだからなんだな。
立花=松坂桃李
坂本=山下智久(もうちょっとだけ若い頃の)
くらいの感じで読んでました


[角田光代]  [空の拳]  [かくたみつよ]  [そらのこぶし

Tue2013.03.05


捨てる生き方 浅野裕子

捨てる生き方 浅野裕子
三笠書房

2013.3.4

はじめに--あなたの二十四時間が変わる「生き方整理術」

まず「身近なところ」から始める。
……部屋を整頓してエネルギーを取り込む

「自分のための時間」をつくる。
……時間に追われる毎日と決別する

「身の丈に合ったお金」を使う。
……無駄なものにお金をかけない

「自分らしい魅力」に気づく。
……シンプルな美しさを引きだすコツ

「人間関係」を上手に整理する。
……あなたに必要な縁なら必ずつながる

「本当に大切な人」を知る。
……運命の出会いが訪れるとき

自分の「今」に集中する。
……捨てるべきものを捨てれば、運命が大きく動きだす

おわりに


するすると読めて、何かが残る…かな
気負いのない文章で、「断捨離はちょっと」
なんて人にも読みやすいかと。

浅野裕子、他の本も借りてみようかな♪


[浅野裕子]  [捨てる生き方]  [あさのひろこ

Sun2013.03.03


となり町戦争 三崎亜記

となり町戦争 三崎亜記
集英社文庫

2013.3.2


第1章 となり町との戦争がはじまる
第2章 偵察業務
第3章 分室での業務
第4章 査察
第5章 戦争の終わり
終章

<文庫版特別書き下ろし>
別章


「戦争研修」を読んだので、
「となり町戦争」に戻ってみる。

さすがに三崎亜記のデビュー作「となり町戦争」の
ショーゲキは覚えているが、ストーリーはウロ覚え

舞坂町(まいさかちょう)で暮らし始めて2年になる僕は、
広報紙の「となり町との戦争のお知らせ」で、
9/1から、森見町(もりみちょう)との戦争が始まることを知る。
10/1、「戦時特別偵察業務従事者」に任命され、
10/23、「戦時拠点偵察業務従事者」として、
香西(こうさい)さんと「便宜的に結婚し、
森見町にある「となり町戦争推進室分室」勤務となった僕。
僕には、戦争の痕跡も見えなければ、気配も感じられない。

「それ、無理矢理折り曲げてもらえますかあ」
「もう固くなってるから……」
「心配ないですよお、それはもうモノなんですからねえ」

「あれ、包んでないのか?」
「ちょっと予定外の所で載せてきたんで、
 この車、まだ防水袋の支給、受けてなかったんですよ」
「よし、なんにしろ落とそう。そっち持って」
「うわ、まだやわらかいな」
「引きずるな……せえのっ」

香西さんの弟、志願兵となった智希や、
倒撮(とうさつ:戦死写真撮影)のために
森見町に侵入した、智希の友人の死体が、
森見町の条例に従い、ごみ焼却場で焼却処分される。
遺品も遺骨も戻らない…

「となり町戦争」だけ読んだときより、
「戦争研修」と「別章」を読むことで、
物語世界に厚みが増す。
(奇妙に現実から遊離した世界なのだけれど)

戦争が終わったらとなり町の町長の息子と結婚する、
という香西さんが、更になにかの犠牲になるような
印象だったけれど、
相手が「戦争研修」に出てくる杉田なら…


「別章」では、学生時代に智希の恋人だった、
鳴海舞の視点で物語が紡がれる。
入社研修を終え、「森見町地域振興事業」に
従事する鳴海。
智希の葬儀で、姉の瑞希から、智希の最後の写真を
見せられる。
防水袋に包まれ、地面に無造作に並べられた遺体。
その防水袋は、鳴海が仕事で手配した、
「第五次町民交流強化計画」の「夜間イベント」用の
防水袋だった。

言葉を言い換えて、視点をずらすだけで
「殺し合い」ではなくなってしまう戦争。
遺体をごみ処分場で焼却する条例が
制定されてしまう世界。

戦争って、案外こんな風にあっさりと始まって、
日常になってしまうのかもしれないと、怖くなる。


[三崎亜記]  [となり町戦争]  [みさきあき