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Sat2019.12.14


むらさきのスカートの女 今村夏子

むらさきのスカートの女 今村夏子
朝日新聞出版

2019.12.13


第161回 芥川賞受賞作

むらさきのスカートの女が気になって仕方ない
… というより、ストーカー?

語り手の権藤チーフの方がコワイ。

残念ながら「黄色いカーディガンの女」は、「むらさきのスカートの女」と違って、
その存在を知られていない。


なんて言いながら、「むらさきのスカートの女」のおかしさを語りつつ、
自身の生活が破たんしているのも見え隠れする。
「むらさきのスカートの女」がホテルで働きだしてからは、
完全に権藤さんの方がおかしなヒトになってる。

挙句…

わたしは静かに首を振り、権藤チーフではないよ、といった。
「わたしは、黄色いカーディガンの女だよ」
あなたが、黄色いカーディガンの女?
むらさきのスカートの女が、そう言った気がした。


そして、「むらさきのスカートの女」は消えてしまい、
権藤さんが「黄色いカーディガンの女」になっている。

なんのこっちゃ。

でも、いつかこっち側に落ちるんじゃないかという怖さがある。


太宰治賞、三島由紀夫賞、河合隼雄物語賞、
野間文芸新人賞、芥川龍之介賞…
すごいな今村夏子


[今村夏子]  [むらさきのスカートの女]  [いまむらなつこ

Sun2019.12.08


小箱 小川洋子

小箱 小川洋子
朝日新聞出版

2019.12.7

1
2

11


小川洋子らしい静謐さに満ちた物語。
でも、慈しまれるのが、失われた過去、
ではなく、失われた子どもたちだからか、
かなり残酷で、グロテスクでもある。

もしかして、亡くした子どもを悼み、小箱の中での成長を
見守る人たちもまた死者なのではないかと思えてくる。

読んでいて、映画『アザーズ』のニコール・キッドマンと
子どもたちが浮かぶ。

表紙、J・J・グランヴィルの「彗星の大旅行」が美しい。


[小川洋子]  [小箱]  [おがわようこ

Fri2019.12.06


祝祭と予感 恩田陸

祝祭と予感 恩田陸
幻冬舎

2019.12.4

祝祭と掃苔
獅子と芍薬
袈裟と鞦韆(ブランコ)
竪琴と葦笛
鈴蘭と階段
伝説と予感


『蜜蜂と遠雷』スピンオフ!
恩田陸は、やっぱり短編がいいな

祝祭と掃苔 亜夜とマサルと塵
        掃苔(そうたい)ってお墓参りのことなんだ。

獅子と芍薬 ナサニエル・シルヴァーバーグと嵯峨美枝子とユウジ・フォン=ホフマン

袈裟と鞦韆 菱沼忠明と小山内健次? 誰だっけ?
        課題曲「春と修羅」の作曲家。

竪琴と葦笛 マサルとナサニエル・シルヴァーバーグとアンドレイ・ミハルコフスキー

鈴蘭と階段 奏と亜夜と塵

伝説と予感 ユウジ・フォン=ホフマンと塵

小一時間で読めちゃうボリュームだけれど、
なんか幸せな余韻が残る
明石がでてこなかったし、スピンオフ、まだ出るかな

そして、『蜜蜂と遠雷』にいきたくなる…


[恩田陸]  [祝祭と予感]  []  [おんだりく

Thu2019.11.28


どうしても生きてる 朝井リョウ

どうしても生きてる 朝井リョウ
幻冬舎

2019.11.27

健やかな論理
流転
七分二十四秒目へ
風が吹いたとて
そんなの痛いに決まってる



うー…
ツライ系か…
通勤電車で読むのはツライなぁ…
朝から澱むなぁ…
仕事帰り、疲れたうえにこれはツライなぁ…
などと思いつつ。
結局読んでしまった。

「籤」の中で女のコに

人間はこんなにも醜いんだー、どうだ参ったか、
って感じですよね。


って言わせてるけど。
まさにこれ。
参りました。

でも…
「籤」まで読み終わったら、
なんだかほっこりする感じ。
とことん希望がないお話なのかと思ったけれど、
大丈夫。
ちゃんと生きていける

いつかまた読み返してみると
違う物語が見えるんだろうな。


[朝井リョウ]  [どうしても生きてる]  [あさいりょう

Tue2019.11.26


渦 妹背山婦女庭訓 魂結び。 大島真寿美

渦 妹背山婦女庭訓 魂結び。 大島真寿美
文藝春秋

2019.11.25


廻り舞台
あをによし
人形遣い
雪月花

妹背山
婦女庭訓
三千世界


第161回直木賞受賞作

これは、あれかな、
ちょっと『阿蘭陀西鶴(朝井まかて)』っぽいかな、
などと思いながらするする読める。

面白い

けど。
半二の失速と共に、物語も失速

「三千世界」が余計かな…
三輪の語り、いるかなぁ…
長過ぎだし、出過ぎな感がある。

なんとなく尻つぼみ。

ま。
最後はめでたしめでたし。


 南無三宝(なむさんぼう) 
仏に帰依を誓って、救いを求めること。
また、突然起こったことに驚いたり、
しくじったりしたときに発する言葉。
「南無三」ともいう。
(goo辞書より)


[大島真寿美]  []  [妹背山婦女庭訓]  [魂結び。]  [おおしまますみ